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現代人が抱える「生きづらさ」と「克服体験談」|専門家インタビュー

     
現代人が抱える「生きづらさ」と「克服体験談」|専門家インタビュー
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2019(令和元)年度の行方不明者は86,933人と発表されていますが、これはあくまでも警察に届けられた『行方不明者届』の数です。正確な数字は、もしかしたら10万人を上回るかもしれません

【参考:令和元年における行方不明者の状況について|警察庁】

また、厚生労働省によれば令和元年度の自殺者は20,169人と、先進国でありながらとても低い水準であることが分かっています。

【参考:令和元年中における自殺の概況|警察庁】

人間関係の悪化、いじめ、男女問題、労働トラブル、金銭トラブルなど…。現代人が抱えるよくある悩みを挙げ出すとキリがありません。今この記事を読んでいるあなたも、「いっそのこと、もう何もかも投げ出して逃げてしまいたい」なんて考えたことが一度はあるのではないでしょうか。中には、あまりにも悩みが深刻化し、「失踪願望」「自殺願望」が芽生えてしまった方もいらっしゃるかもしれません。

Twitter上では、『病み垢』(※)で毎日誰かが『むかつく』『死にたい』『死ねばいいのに』などとつぶやいています。また、それに同調するつぶやきも多く見られます。

※病み垢(やみあか)とは、心を病んでいる人が愚痴や、文句をネット上に吐き出すためだけに作ったアカウントのこと。

日本財団が公表した資料「第3回日本財団自殺意識調査」によれば『1年以内に本気で自殺したいと考えたことがある』と回答した人は30%にのぼりました。

【参考:第3回日本財団自殺意識調査|日本財団】

時代と共にテクノロジーが発展してAIやSNSなどが普及し、どんどん便利な世の中になってきました。しかしその一方で、現代ならではの『生きづらさ』が浮き彫りになってきたような気もします。

今回は、こうした何かしらの『生きづらさ』を抱えている方、また、そういった方が身近にいるという方に参考にしていただくため、カウンセリングルーム『西新宿カウンセリング』の下村順一(しもむら じゅんいち)先生によるご協力のもと、悩みを抱えている人の心境や本人への接し方、克服体験などについてお伝えします。

西新宿カウンセリング 下村 順一
1972年 東京都出身 上智大学文学部哲学科卒
心理カウンセラー
いじめトラウマを生き抜く方法 サイト運営者
いじめ後遺症の自助グループ のばらの会 世話人
———–
中学3年の時に受けたいじめがトラウマとなり
成人後も精神疾患・人間関係に悩まされる
それから14年という時を経て28歳の時に
「幸せだ」と思えるまでに回復。
「生きてさえいればいつかかならず幸せになれる」をモットーに、
今日も相談者に“道しるべ”を提供している。

 

あるとき、自己否定から自己肯定ができるようになった

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――先生は昔、ご自身がいじめにあっていたわけですよね。そういった辛い立場であったにもかかわらず、どん底から這いあがって、それだけでなく今は人の心を救う立場になって…これって本当にすごいことだと思うんですよね。

下村先生:27歳の時までは、いじめられた弱い自分を許せない、いじめに屈服した無様な自分を許せない、という自己否定の気持ちが強かったんですよ。「いじめられた自分はダメな人間なんだ」って、さらに自分をいじめていたんです。でもある時転機が起きて、「そのままの自分を受け入れよう」「傷ついた自分を大切にしよう」と自己肯定できるようになったんですよね。それまでは本当に自己否定地獄でした。

――自分でどうにかして克服した、ということですか?

下村先生:いえ、特に自分でどうにかしようと思ったわけではなくて、ある時ふと、そんな瞬間が訪れたんです。ただし、これはあくまでも自己肯定できるようになって心が楽になったというもので、トラウマの症状(精神疾患や人間関係の悩み)が完全に解消したわけではないんです。今でも嫌な気持ちに悩まされることもあります。でも、考え方を変えただけで精神的にすごく楽になって、救われたんです。僕のカウンセリングでは、この自己肯定の考え方について提供しています。

 

ひどい状況にいる人ほど「HELP!」ができない

赤信号

――悩みって、まず家族とか、信頼できる人に早く打ち明けるのが重要かなと思うんですが…。

下村先生:僕がいじめられていた中学3年生の時は、「自分がいじめられていることは一生秘密にしなくちゃいけない」と思っていました。だから僕は、実は21歳で精神科を受診するまではずっといじめについては黙っていたんですよ。当時はずーっと地獄でした。

――えっ、そうなんですか?

下村先生:いじめられるっていうことは、バカにされ侮辱されるっていうことなんですよ。侮辱され続けると、心が折れるわけですけれども。そうすると今度は「あぁ、いじめられる自分がダメで悪いんだ…」と思うようになってくるわけです。すると何が起きるかっていうと、『(周囲の人に)助けてください』っていうことが言えなくなるんです。なぜって、自分のことを『クズでダメ人間でいじめられても仕方がない』と思ってしまっているからです。一般的には『自分は悪くないのに不当にひどい目にあっている、だから助けてください』ではないでしょうか。

――なるほど。『悩みはすぐに相談しましょう』なんてよく聞きますけど、ひどい状況にいる人ほど、自分から発することができなくなるんですね…。その場合、周囲がいち早く本人の変化に気づいて、本人から悩みを聞き出して早期解決に向けて動くことが重要なのかなと考えますが。

下村先生:う~ん、もう心が折れちゃってる人から聞き出すのは、正直かなり難しいでしょうね…。悩みを話すということは『自分はゴミなんです』と相手に伝えることと一緒なんですよ。また、『逃げろ』と言う人もいますが、恐怖心に取り込まれている人にとって、逃げることも無理なんですよね。

――辛いですね…。

下村先生:かろうじてこうした辛い時間に耐えられた人は、その後、心にトラウマを抱えて生きていくことになります。そのトラウマが、何年か経ってふとした瞬間にフラッシュバックして、悩まされることもあります。それこそ、何年も前に受けた心の傷が原因で自殺してしまうケースだってあります。大人になればなるほど、トラウマに耐えられるだけのエネルギーがなくなっていきますから。

――いきなりスイッチが入るかもしれないということですね…。

 

ひどく辛い悩みを抱えている人に対して周囲がすべきことは『その人を大切に想うこと』

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下村先生:僕の場合は、当時親や周囲に悩みを打ち明けることはありませんでしたが、親は僕のことを大事にしてくれました。悩みもあった、けれど愛もあったからこそ辛い毎日に耐えることができたのかもしれません。

――本人から悩みを聞き出そうとか共有しようとするよりも、本人を大切に、大切に接してあげること。それが重要なんですね。

下村先生:そうですね。『もしも何かあったときには、絶対に守るよ』っていうメッセージを常に発信することが大切ですね。

――私、悩んでいる友達に「何でも話して欲しい」とかよく言ってしまっていました…。

下村先生:大切だという姿勢が伝わるかどうかですよね。ちなみに『いじめに負けるな』というメッセージは逆に怖いですよ。何とかすり抜けた人にとってはまだいいかもしれませんがね…。どん底まで悩んでいる人は、『自分は負けた』という自覚があるんです。だから、『悪に負けるな』という言葉によって『悪に負けてしまった自分はどうなるの?』という感情が生まれるんです。

――深い…。やっぱりどんな言葉よりも大切に想う行為そのものが大切なんですね。

下村先生:そうですね。だからこそ、周囲からの支えがまったくないという人は本当に危ないかもしれませんよね。

 

悩みを克服するために必要な3つ『時間』『理解者』『居場所』

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下村先生:辛い目にあって『人生を脱線した』と思うのではなく、『この悩みも含めてその全体が私のかけがえのない人生であり運命なのだ』と気づけること。ダメなところもある自分をどのように肯定するかが大事で、言ってしまえば「ダメでもいいじゃん」って思えるようになればいいんです。僕はこう思えるまでに14年かかりました。

――これが自分のかけがえのない人生であると気づけること、ですか。

下村先生:もしかしたら20年かかることもあるかもしれないですけどね。回復に必要なのは、時間と理解者と居場所です。

――時間、理解者、居場所。(メモメモ)

下村先生:はい、1日で変わるなんてのは嘘です。5年、10年、15年と時間をかけることでいつか転機の時期が来ます。そしていつか『幸せ』を感じることができます。

――ちなみに今、先生は幸せですか?

下村先生:まぁ悩むこともありますけど(笑)、少なくとも27歳のときに比べたら幸せですよ。恵まれているなと思います。

 

悩んでいる方へ、一番に伝えたいこと

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下村先生:いじめや人間関係など、辛い目に遭っている人は『自分はクズなんだ』という思いによって、自分で自分を傷つけている状態にあるんです。

――肉体的な傷つきというよりも、『おまえはダメ人間だ』と思い込まされたことによる心の傷つきということなんですね。

下村先生:そう、『自分は人から大切にされるに値しないダメ人間なんだ』という思い込みです。自分のダメな部分や弱い部分を受け入れるまでが戦いです。理想があって、それに自分を合わせるのではなく、現実(そのままの自分)があって、そこに理想や理屈を合わせていく。

――なるほど。そのままの自分自身を受け入れる。

下村先生:回復しても、その後にトラウマとして傷跡が残るかもしれない。でも、その傷跡を不幸の象徴と思うのではなく、『これもかけがえのない自分の人生の一部だ』と思えたら楽になると思うんですよね。

――先生、お忙しい中インタビューにご協力いただきまして、誠にありがとうございました。自己否定からの自己肯定…とても参考になりました。

 

「失踪」「家出」など行方不明トラブル解決のための当メディアですが、
そもそも失踪させないこと、家出させないことが根本的な解決策であると考え、
今回はこのようなテーマでインタビューさせていただきました。
当記事が、悩みを抱えている方やその周囲の方にとって少しでも
お役に立てば幸いです。

 

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