「張り込み」とは、ある一定の場所に待機して対象者の動きを見張ることを言います。
張り込みは、浮気調査や行動調査など、対象者の素行を調査する際だけでなく、実は人探しをする際にも行われます。具体的には以下のようなケースです。
- 対象者が失踪者で、誘拐などの事件に巻き込まれているケース
- 対象者本人か不明確なケース
- 対象者にむやみに接触できないケース
【参考:探偵の尾行テクまとめ|人探し調査で尾行が必要になるケースとは】
ドラマや映画の影響で、『張り込み』と言えば、車に待機してタバコをふかしながらアンパンと牛乳を食べたり飲んだりするといったイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、実際の張り込みは皆さんのイメージと大きく異なります。
この記事では、実際に探偵が行う張り込みの方法や具体的なテクニック、さらに探偵が張り込みをした場合の料金をご紹介します。
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目次
張り込みの種類
張り込みには、『立ち張り』『車での張り込み』『点張り』の3種類があります。
ここでは、それぞれどのように張り込みを行うかについて紹介します。
立ち張り
『立ち張り』とは、立って張り込みを行うことを言います。車が入って行けない・駐車禁止・車が駐車していると不自然な道路で行われます。
5分で終わることもありますが、対象者が出てこなければ何時間でも立ち張りを続けます。
長時間にわたると肉体的にも精神的にも疲弊しますので、交代しながら行うのが一般的です。
車での張り込み
車の中から対象者を見張る張り込みの方法です。車が駐車できる・車を駐車していても不自然でない場合に行われ、周囲に警戒されにくく、対象者に顔を見られないというメリットがあります。
車の中なので快適だと思われがちですが、基本的にエアコンは切りますので、夏は暑く冬は寒いという過酷な状況の中で張り込みをしなければなりません。
点張り
点張りとは、商業ビルなど大きな建物で複数出口がある場合や、建物付近から出口を目視できない場合に、対象者が向かう可能性のある道全てで待ち伏せする方法です。
点張りは、道路の状況により、『立ち張り』も『車での張り込み』も、どちらでも行うケースがあります。
探偵の張り込みテクニック基礎知識
ここからは、探偵ならではの張り込みテクニックの基礎知識を紹介します。
周囲の状況に溶け込む
張り込みで最も重要なのは、対象者にバレないこと、そして通行人や近隣の住民に怪しまれないことです。
そのためには、周囲の状況に溶け込まなければなりません。そこに探偵がいる理由の変わりになる、架空のストーリーを作る必要があるのです。
具体的には以下のような事をし、張り込みであることがバレない・周囲の人に怪しまれない工夫をします。
- ゴルフの練習を装う
- 車の洗車を装う
- 犬の散歩を装う
- 地図調査のための調査員を装う
- 工事現場の調査員を装う
- アンケート調査員を装う
- 手相占い師を装う
- 交通量調査を装う
事前の調査をする
まず、調査場所の地理を入念に調べ上げ、対象者から最もバレないような効果的な張り込み位置を選択します。
さらに、前述した『周囲の状況に溶け込むため』に、事前に対象者の自宅や滞在するであろう場所、周囲の状況を確認します。そして、これらを踏まえて、張り込みをしていても不自然にならないため・近隣の住民に径しまれないために、どのような『架空のストーリー』を作るかを決定します。
また、対象者の最新の写真も手に入れておきます。これは、移動時に大量の人ごみの中に紛れた対象者を直ちに認識できるようにするためです。
太陽(光)を背にして張り込む
探偵は対象者に張り込みがバレてしまってはいけません。そのため、特に昼間に張り込む場合には、太陽を背にして張り込み、周囲から顔がよく見えない状況を作ります。
また、太陽を背にすると、周囲がまぶしくてよく見えないという状況を避けることができ、対象者を見逃すリスクを減らせます。
夜に張り込む時にも同じ事が言えます。夜は街頭やコンビニの明かりなどが目立ちますが、それらの光源を背に張り込むことが重要です。
体調を整えて長時間現場を離れないようにする
探偵は基本的に2名体制で張り込みしますので、長時間の張り込みでトイレに困るということはあまりありません。
しかし、応援が到着していない場合や予算の関係上1人で張り込みをする場合もあります。そのような時にはどうするのでしょうか。
基本的には所有しているペットボトルやビニール袋で用を足します。張り込み用の車に『おまる』を常備しているケースもあります。
ただ、張り込み中にトイレに行くと少なからず対象者への意識が途切れてしまいますので、できるだけ避けたい行為です。そのため、張り込みの前には水分を控え、お腹の調子が悪ければあらかじめ薬を飲んでおくなど事前準備をする探偵がほとんどです。
発信機を利用する
近辺での張り込みが困難な場合に限り、発信機を利用する場合もあります。発信機によってドアの開閉する音を拾って、外出したことを確認するのです。
ただし、発信機の利用もドアの開閉を確認する程度で、張り込みを補足するものに過ぎません。
対象者が外出した場合、移動する可能性のある場所をすべて確認できる位置に張り込んでおき、移動を開始した際にはすぐに尾行できるような態勢を整えておく必要があります。
【状況別】探偵の張り込みテクニック
探偵が張り込む状況はいつも同じではありません。ここでは、さまざまな状況別に、探偵が張り込む際に使うテクニックを紹介します。
出口が複数ある施設(大きなビル)を張り込む際のテクニック
大きなビルでは、必ず複数の探偵で張り込みを行います。この時、一ヶ所に固まっていては不自然なので、必ず分散して張り込むことが重要です。
また、その際には各探偵が役割を分担します。仮に探偵が5人いる場合、1人はおとり役として対象者をチェック後、出入口などを全て確認。おとり役はそれらの内容を他の探偵に報告したらすぐに現場から去ります。
残りの4人は1人が対象者を常に尾行し、残りの3人が全ての出入口で張り込むか、出入口が多い場合には点張りをします。
小さい店舗(喫茶店など)で張り込む際のテクニック
喫茶店のような小さい店舗に対象者が入店した場合には、まず出入口の確認を行います。複数箇所ある場合には、対象者がどの出口から出るか分からないからです。
また、ケースバイケースになりますが、同じ店舗に入る必要がない場合には店舗の外で立ち張りをする場合もあります。
仮に同じ店舗に入る必要がある場合には、対象者と少し時間を空けて入ることがポイントです。同時に入ってしまうと顔を覚えられてしまう可能性があるからです。
入店後には、店内すべてを見渡せる席か、対象者のすぐ後ろの席に座ります。
小さい店舗で張り込む時のテクニックは、他に以下のようなポイントがあります。
- すぐに後を追えるよう、代金は注文後すぐに支払う
- 対象者が店に入った事の証拠品として、マッチなどをもらっておく
- 対象者の後ろに座った場合は、コップやメガネなどガラス製品の反射を利用して対象者を観察する
住宅街で張り込む際のテクニック
住宅街では、対象者の他に近隣住民にもバレないようにする必要があります。近隣住民に怪しまれ、警察を呼ばれてしまうと、その近辺にはもう近寄れず、張り込みは完全に失敗です。
前述した『周囲の状況に溶け込む』テクニックを用いても、住宅街で常に同じ位置で張り込んだ場合、近隣住民に怪しまれてしまう可能性があります。
そのため、住宅街で張り込む際には、一定時間で時間を区切り、対象者を中心に円を描くように張り込み場所を変える必要があります。
車で張り込む際のテクニック
車で張り込む場合には、基本的に無人を装う必要があります。そのため基本的にはエンジンは切っておきます。また、運転席や助手席に座らず、必ず後部座席に座らなければなりません。
ただし、交通量の多い道路などで張り込む場合には、エンジンをかけて助手席に座り、運転者を待っていることを装うケースもあります。
張り込みに使う車の後部座席の窓は、カーテンやスモークなどで外から見られないようにしておく必要があります。対象者に顔がバレる可能性を少しでも減らしておくためです。
駐車場所は、近くにマンションの駐車場や青空駐車場があればそこを利用します。使用者の事を考えれば気が引けるかもしれませんが、すぐに移動すればよいだけです。
住宅街などでポツンと1台だけ駐車しているのが不自然な場合には、対象者から離れて張り込みます。どの程度離れるかは周囲の状況によってケースバイケースとなります。
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探偵が張り込みをする際の注意点
ここでは、張り込みをする際の注意点について確認してみましょう。
化粧などによって顔は変化する
事前に写真を確認していても、女性は化粧によっていくらでも顔を変えることができます。そのため、顔だけで対象者を認識するのではなく、耳の形や歩き方の癖まで認識しておきます。
対象者は必ず1人で出てくるとは限らない
1人で建物に入ったからといって、必ず対象者が1人で出てくるとは限りません。特に大きな建物の場合、1分間に何人も人が出てくるケースがあります。
そのとき、1人で入ったから1人で出てくるはずだと思い込み、2人以上で出てきた人を対象者でないと認識するのは危険です。
対象者が1人で入った建物から複数人で出てくる事も考えられます。建物から出てくるすべての人を、探偵は注意深く見なければなりません。
建物の出入口から必ず出てくるとは限らない
建物にはいくつもの出入口があります。きちんと建物の構造を調べず、目視できる出入口のみで張り込んでいると、地下通路や地下駐車場から対象者が出て行ってしまう可能性も考えられるでしょう。
対象者が建物から移動するすべての可能性を考えて、探偵は張り込みを行います。
警戒されていないはずと思い込まない
一般人が生活をする上で、探偵に張り込みをされていると想像することはほとんどないでしょう。
そのため、張り込みする探偵としても、「対象者は張り込みなど警戒していないだろう」と思い込んでいる場合もあります。
そのような時に、周囲に溶け込むことや事前の調査を怠ると、張り込みされていると気付かれなくても、張り込みしている地域周辺の人達に不審な人物がいると思われてしまうケースもあります。探偵は常に、警戒されていないか・不審がられていないかについて注意することを怠ってはなりません。
張り込みは合法?違法?
探偵の張り込みは、考え方によると『他人のプライバシーを勝手に覗き見る行為』と言えるため、違法なのではないかと思っている人もいるかもしれません。
結論から申しますと、合法です。
2007年に成立した『探偵業の業務の最適化に関する法律』で、以下のような条文があります。
(定義)
第二条 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
【引用:探偵業の業務の最適化に関する法律 第2条】
上記の中で、聞き込み、尾行、張り込みその他これに類する行為を探偵業務と呼んでいますので、張り込みは合法です。
なお、探偵と同じ職種で考えられがちな『別れさせ屋』に関しては、同法律に以下のような条文があります。
(探偵業務の実施の原則)
第六条 探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。
【引用:探偵業の業務の最適化に関する法律 第6条】
『人の生活の平穏を害するなど個人の権利利益を侵害することがないように』という記載がありますが、別れさせ屋の行為が該当するかどうかはグレーゾーンだと言えるでしょう。
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探偵に張り込みを依頼した場合の費用相場
探偵が対象者を調査する際には、張り込みだけでなく、尾行や証拠の収集なども行いますので、張り込みだけの費用相場はありません。
一般的な相場として、張り込みや尾行、証拠撮影のための機材費などすべてを含み、調査員2人につき2~2.5万円/時間が相場です。
なお、探偵の料金体系は主に、『時間料金型』『バック料金型』『成功報酬型』の3種類があり、どれを選ぶかで調査費用自体が変わります。
どのような依頼の時にどの料金体系を選べばよいかについては『人探しの料金相場|人探しにかかる調査料金を抑える5つのコツ』を参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。張り込みにはたくさんのテクニックや注意点があることがご理解いただけたでしょうか。
ドラマのイメージと違い、実際の張り込みは非常に地味で、体力や精神を共に消費する重労働です。そのため、個人で行うのは困難なことが多いと考えられます。
人探しで張り込みが必要な際には、プロである探偵に依頼することをおすすめします。
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