遺産相続に向けて「相続人のなかに行方のわからない人がいる」という場合は、遺産分割の割合などを話し合うよりもまずその相続人の居場所をつきとめて連絡をとる必要があります。
相続人の全員が合意した『遺産分割協議書』がないと、預貯金の引き出しや不動産の名義変更ができないからです。
どうやっても自分たちで居場所をつきとめられない場合は「人探しのプロ」に依頼して解決を目指すことになりますが、気になるのは「どのくらいの費用がかかるのか?」という点でしょう。
このコラムでは、相続人探しにかかる費用について、どのくらいかかるのかの目安や調査費用を節約する方法について解説していきます。
「探したい人がいるけど、どうしたらいいかわからない。」
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目次
相続人を探す方法と費用の目安
自力で相続人を探すには、次の2つの方法を選ぶことになるでしょう。
- 「人探しのプロ」と呼ばれる探偵に依頼する
- 「法律のプロ」と呼ばれる弁護士に依頼する
どちらにも一長一短の特徴がありますが、ここでは費用面に注目して比較していきます。
①探偵に依頼した場合|10万円~100万円
人探しのプロと呼ばれる探偵に依頼すれば、行方がわからない相続人の居場所をつきとめてコンタクトが取れる可能性があります。
探偵といえば、テレビドラマなどでは殺人事件などを警察とは別のルートで追いかける仕事のように描かれていることが多いイメージがあるでしょう。
実際の探偵は、相続人探しのほかにも「生き別れた兄弟を探したい」「昔お世話になった恩師に会いたい」といったさまざまな人探しの要望に応えてくれます。
探偵の調査費用は、探偵事務所ごとの料金設定や調査の難易度によって変動しますが、10万円から100万円が相場です。
探偵は人探しのプロなので「対象者を探し出す」という目的に特化しています。
相続人が集まって話し合ってもどこにいるのか見当もつかない、ほかのトラブルなどは一切なく「あとはその人の合意と署名・印鑑があれば解決だ」といったケースなら、探偵への依頼がおすすめです。
②弁護士に依頼した場合|遺産総額によっては天井知らず
相続人探しを依頼できる先としては、法律のプロである弁護士も挙げられます。
弁護士に依頼する場合は「相続人を探してほしい」と依頼するのではなく「遺産相続の問題を解決してほしいので、そのなかで行方不明の相続人にも連絡をとってほしい」と依頼することになるでしょう。
つまり「相続人を探す」という目的だけで依頼できるケースはほとんどありません。
弁護士に相続問題の解決を依頼すると、次のような費用がかかります。
ここでは、相続によって得る経済的な利益が1,500万円だった場合を、旧弁護士会の報酬規定にそって想定してみましょう。
着手金 | 34万円 |
報酬金 | 68万円 |
合計 | 102万円 |
【参考:相続弁護士ナビ】
この部分は、経済的な利益の額によって変動します。
経済的な利益が5,000万円の場合は、単純計算で438万円にもなるので、負担は非常に大きくなるでしょう。
さらに、人探しにかかる部分については次のような費用も必要です。
日当 | 1日あたり3~5万円 |
交通費 | 実費 |
戸籍などの取得費用 | 実費 |
郵便代 | 実費 |
もし相続人探しのために10日ほどかかり、戸籍などの取得や本人と会うために遠方への出張などが必要になれば、安く見積もっても40~50万円は必要になるでしょう。
弁護士に依頼する場合は「遺産相続の問題解決分」として100万円以上、さらに「相続人探しの分」として40~50万円以上がかかる計算です。
もし相続財産が高額で、相続によって得る経済的な利益が莫大であればさらに高額となる可能性があります。
単に「ある相続人の行方を探してほしい」という目的ではなく、相続人探しを含めて遺産相続の問題のすべてを弁護士に任せたいといったケースではおすすめです。
【関連リンク:探偵に相談する流れと費用|違法でない親切な探偵を選ぶ5つのポイント】
探偵の調査費用をできる限り費用を節約する方法
とくに遺産相続で親族間に争いがなく、ただ「ある相続人の行方がわからず困っている」といったケースでは、探偵への依頼をおすすめします。
とはいえ、探偵に調査を依頼した場合の費用は10~100万円が相場であり、弁護士に依頼したときと比べれば安く済むとはいえ、決して安い金額ではありません。
ここでは、探偵に調査を依頼した場合にできる限り調査費用を節約する方法をお伝えします。
ニーズに合った料金体系の事務所に依頼する
探偵事務所の料金体系は、大きく分けると3種類です。
- 時間料金型
- パック料金型
- 成功報酬型
それぞれの料金プランには特徴があります。
そして、どのような状況に置かれているのかによって、どの料金プランがマッチしているのかも異なります。
居場所の大方の目星はついていて「あとは実行あるのみ」といったケースでは、ムダを省いた時間料金型がお得です。
戸籍などの情報からデータをたどり、可能性のある場所へ出向いたり関係者に聞き込みをしたりと、ある程度の時間がかかることが予想される場合は、パック料金型をおすすめします。
パック料金型はあらかじめ「1日◯万円」と決まっているプランで、1時間あたりの費用は時間料金型よりも安く設定されているのがポイントです。
予想外に早く解決できた場合は余計に支払った分が返ってくるといった事務所もあるので、相談・見積もりの段階でしっかりチェックしておきましょう。
「相続人が見つかるかどうか、期待が持てない」という厳しい状況であれば、成功報酬型がおすすめです。
成功報酬型は、依頼主が求める結果が得られた場合に報酬として費用が発生するプランなので、相続人が見つからなかった場合は相談料や着手金しかかかりません。
「相談料・着手金は無料」といった完全成功報酬型の事務所もあるので、こちらもしっかりチェックしておきたいところです。
探偵にできるだけ多くの情報を渡す
探偵に調査を依頼する際は、知りうる限りできるだけ多くの情報を探偵に渡しましょう。
探偵の調査費用は調査の難易度が大きく影響します。
難しい調査なら時間も手間もかかるのでその分だけ高くなりますが、できるだけ多くの情報をわたして調査の難易度を下げれば時間・手間ともに省けて調査費用が抑えられるのです。
相談窓口やトライアル価格を活用する
探偵事務所のなかには、相談を無料で対応するサービスを提供している事務所があります。
また、探偵への依頼に抵抗がある方や「初めてなので不安」という方のために、初回に限って通常の料金プランよりも格安の「トライアル価格」を設定している場合もあるので、上手に活用すれば節約につながるでしょう。
費用を惜しんではダメ!相続人探しが必要な理由
自力で相続人の行方をつかめない場合は、探偵や弁護士といった専門家がもつ知識やスキルを借りることになります。
もちろん、そのためには費用がかかりますが「お金がかかるなら依頼したくない」と出し惜しみをしてはいけません。
相続人のうちひとりでも行方がわからず連絡もとれない人がいると、遺産相続のために必要な手続きが進まなくなり、結果として自分が損をしてしまいます。
遺産分割協議が進まないから
相続人のうち誰かひとりでも欠いた状態では、遺産分割協議が成立しません。
ほかの相続人だけで勝手に話を進めても、相続人全員の署名・押印がある「遺産分割協議書」がないと法的に相続が認められないので無効になります。
不動産の売却や預貯金の引き出しができないから
有効な遺産分割協議の結果による遺産分割協議書がないと、土地・建物などを相続して名義を変更するための「相続登記」や凍結された故人の預貯金口座からの引き出しができません。
こっそりと署名・押印を偽造しようと考えてしまうかもしれませんが、実印による押印と印鑑証明の提出も求められる場面が多いので、不正は通用しないでしょう。
相続税額が高くなるから
相続人が多くなると、簡単な言い方をすれば「分け前が減る」のは明らかです。
だからこそ、行方がわからない相続人がいることは好都合のように思えますが、実はその考え方こそ間違っています。
相続人の数が増えると、相続税を計算する際の控除額が増えます。
つまり、行方がわからない相続人を控除計算に加えないことで、相続税額は高くなってしまうのです。
ただし、実際には相続税を申告する際に戸籍などの情報からチェックを受けることになるので「相続人の数が違うので計算が間違っている」と指摘を受けます。
行方のわからない相続人を無視したところで本来の税額よりも高い相続税を納めることにはなりませんが、指摘・訂正といった対応によって相続手続きに遅れが生じてしまうでしょう。
無視するとあとでトラブルになるから
行方のわからない相続人の存在を無視して現金や不動産を分割してしまうと、あとで相続財産の存在に気づいた相続人から「私の相続分があったはずだ」という主張を受ける事態になるでしょう。
相続人には、本来相続できるはずだった最低限の財産について権利を主張する「遺留分」という制度があるので、遺留分の侵害を主張されてしまえばお金を支払って解決しなければなりません。
【関連リンク:行方不明の相続人を探す方法|行方不明者がいても財産を相続する方法】
探偵事務所に依頼した場合のシミュレーション
実際に相続人探しを探偵に依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのかをシミュレーションしてみましょう。
探偵の調査費用を節約するには、できるだけ調査の難易度を下げて短期間で結果が得られるようにすることが大切です。
お金をかけたくない人必見・自力で探す方法
相続人の行方をつかんで遺産分割の話を進めなければいけない、しかし探偵や弁護士に依頼するほどのお金はない…
そんな方は、まずここで紹介する「自力で探す方法」を実践してみましょう。
ただし、自力での調査には限界があります。
調査費用のことばかりを気にして自力にこだわっていると、肝心な遺産分割が進まないことにもなりかねなません。
いくつかの方法を実践しても結果が得られなかった場合は、やはりプロの力を借りる方向で検討し直しましょう。
わかりうる最終住所地に手紙を出す
電話で連絡が取れない場合でも、実はその住所にはちゃんと相続人が住んでいる可能性があります。
また、引っ越しをしていても、住所変更の手続きをとっていれば1年間は新住所に郵便物が転送されるので、相続人の手元に手紙が届くかもしれません。
相続が発生していること、遺産分割協議を進める必要があることを手紙で伝えて、相続人からの返信を待ってみましょう。
役場に相談する
把握できている最終住所地の役場に相談すれば、住民票や戸籍の附票などの交付を請求できる可能性があります。
それぞれの交付条件は自治体によって異なりますが、原則として「本人または同居の家族」からの請求、または本人の委任がないと、交付は認められません。
ただし、親族であることを証明し、相続の発生を伝えるために必要であることを説明すれば対応してくれる可能性もあります。
以前は誰でも住民基本台帳を閲覧できていましたが、法律の改正で閲覧には厳しい条件がついています。
「相続人の行方をつきとめたい」という理由では住民基本台帳の閲覧は認められないので、役所の窓口で詳しく事情を話して対応をお願いしてみましょう。
SNSを活用する
相続人がSNSを利用している場合は、アカウントを見つけ出して連絡できる可能性があります。
Facebookのように実名での登録・利用が基本となっているSNSでは、本名の検索でヒットするかもしれません。
実名利用が基本ではないSNSでも、電話帳データとの連携などでアカウントが判明することもあります。
相続人が利用しているSNSが判明すれば、ダイレクトメッセージで連絡をとってみましょう。
ほかのユーザーからも閲覧できてしまう方法でメッセージを投稿してしまうと、相手の機嫌を損ねてしまいブロックなどの方法でシャットアウトされてしまうおそれがあります。
「探したい人がいるけど、どうしたらいいかわからない。」
失踪人、家出人などの人探し調査のご相談は綜合探偵社MJリサーチにご連絡ください。創業46年の実績から人探しに関するアドバイス・調査をいたします。
ご相談は24時間受付中ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
まとめ
相続人探しを人探しのプロである探偵や法律のプロである弁護士に依頼すると、それなりの費用がかかります。
どちらに依頼しても安くない金額にはなりますが、相続手続きを進めるために「まずは本人と連絡を取りたい」という目的なら、人探しの知識と経験をもつ探偵への依頼がおすすめです。
自力での調査には限界があるので、無理を感じたら早い段階で探偵に相談しましょう。
探偵の調査費用は事務所のプラン設定によって変わるので、まずは相談窓口を活用して状況を詳しく説明し、見積もりを出してもらうことをおすすめします。
「かなり高額になるな…」と感じたら、できるだけ多くの情報を伝えて調査の難易度を下げる、ほかの探偵事務所にも同じ内容で相談をして調査費用を比較するといった方法で節約を目指しましょう。
【関連リンク:人探しの相談先4選|各相談先の捜索方法と相談時に伝えるべき情報】
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