子供の家出トラブルのうち、多数を占めるのが「中学生の家出」です。
子供から大人への転換に向けて最初のステップとなる中学生は、非常に多感な時期にあるため家出が多発する年齢だと言えます。
生活能力も社会経験もないのに「自分で何でもできる」と思い込みやすい年代である中学生が家出をしてしまうと、さまざまなトラブルに巻き込まれる危険があります。
この記事では「中学生の家出」にスポットを当てて特徴や防止策を解説します。
また、家出を考えている中学生の方は、ここで紹介するたくさんのリスクを理解して「本当に家出をしても大丈夫なのか」をいま一度見直してみましょう。
この記事の監修者
振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。 |
人探しの相談は「綜合探偵社MJリサーチ」へ
事件に巻き込まれる可能性も0ではありません。最速で発見しましょう。
調査員が20年以上のベテラン精鋭揃いで業界トップクラスの「綜合探偵社MJリサーチ」にまずはご相談ください。
・電話、メールでの相談可能
※ストーカー等、犯罪性のある調査依頼は請けかねますのでご注意ください。
・24時間、365日対応
・安心の料金設定
目次
家出少年のうち半数近くが中学生
「中学生なんて、生活能力もないし家出をすることはないだろう」と軽視してはいけません。
内閣府が公表している調査によると、警察に保護された未成年者のうち、実に40%以上が中学生だという結果が出ています。
多感な時期に差しかかっている中学生は、お金もなく、住まいも確保できないのに「自分のことは自分でできる」と思い込み、勢いで家出をしてしまいます。
精神的な成長が「自殺」という選択肢を選ばせる結果にもなるのです。
《学職別家出少年数の推移》
【引用:学職別家出少年数の推移 – 内閣府】
ピーク時と比べると家出の総件数は減少傾向にあります。ただし、家出が自殺や別のトラブルと結びついている点は無視できないでしょう。
死に場所を求めて家出をするケースもあり、家出後に中学生の室内や持ち物の中から遺書が見つかったという事例もあります。
なお、平成22年のデータでは警察が把握した30歳未満の自殺者3,926人のうち中学生は71人でした。
《自殺した子ども・若者の学職別状況》
中学生の家出の特徴
「親の元を離れて一人で生きていきたいけれど、具体的な方法が分からない…」そんな中学生の家出には、一般的な大人の家出とは異なる特徴があります。以下で解説していきましょう。
行き先の大半は友人・知人宅
中学生が家出した場合の行き先の多くは“誰かの家”です。クラスでも仲の良い友達、遅くまで居座っても口うるさくない親を持つ友達、インターネットサイトで知り合った他人の家に一時的に世話になることがあります。
また、知人宅以外では以下の場所が家出先の候補に挙がります。
- ネットカフェ
- 近くの公園
- コンビニ
- ファミレス
- ゲームセンター
ほとんどが思いつき、突発的に行われる家出なので、1日~長くても3日程度の短い家出になることが多いでしょう。
親・保護者の間での連携を強めておけば、居場所が特定しやすくなります。
携帯電話を持っていく
今や中学生にとって、自由に友達と連絡を取り合うことができる携帯電話は、使用しない日はないといってもいいくらいの必需品です。貴重なコミュニケーションツールを手放したくはないため、家出先にも携帯電話を持っていきます。
借金の取り立てに遭っているなど、本当に居場所を知られたくない大人の家出の場合は携帯電話を持っていくことはありません。持っていてもただの受信機と化し、場合によっては位置探索で居場所を知られてしまうためです。
ただし、その場合は非常に深刻な事態だと考えておきましょう。
【参考:家出に必要な持ち物|残された持ち物から手掛かりを探る方法】
親に自分の心境を理解してもらいたいという気持ちが強い
中学生の家出では、家庭または学校に対する不満・反抗・逃避が引き金となる傾向があります。
したがって、本当に姿を消してしまいたいわけではなく「家出をするくらい現在の環境に不満を感じていることを分かってほしい」という本心があって家出をします。
親が歩み寄ることさえできれば早期の帰宅が期待できるケースは少なくありません。
働こうと思えば働ける
労働基準法は「児童が満15歳に達した日以後、最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない」と定めています。例外的に新聞配達などの短時間のアルバイトは認められることがありますが、原則として中学校を卒業するまではアルバイト・就職はできません。
この規定は「雇う側」が守るべきものなので、まだ大した仕事を任せられない中学生を、法を犯してまで雇うような会社はまずないでしょう。
年齢を偽れば雇ってもらえるかもしれませんが、バレてしまえば解雇は必至です。
それでも「何かあったときは責任を取らない」という約束で雇ってくれる先がないわけでもありません。小さな飲食店や個人の建設業者などは、違法だと知りつつも雇ってくれるケースがあります。
しかし、適法に働くわけではないので、社会的な保障や万が一の事故が起きても補償を受けることもできません。
それどころか、違法な仕事に加担させられてしまうケースも少なくないので、中学生のうちに働いて自立しようなどと考えるのは賢い判断だとは言えないでしょう。
年少者雇用の飲食店が摘発されて家出少女が発見されるケースは珍しくありません。
数日程度で帰ってくる
家出をした人の大半は1週間程度で発見される、または自発的に帰ってくることが多いという調査結果があります。
その中でも特に未成年者は、親元を離れて生きていくことが現実的に困難なため、また、もともと長期的な家出を企てていたわけではないこともあり、数日程度で帰宅に至りやすい傾向があります。
中学生の家出の主な原因
中学生が家出を決心する大きな理由となっているのは「家庭問題」と「学校・友人問題」の2つです。それぞれの問題における、さらに詳しい理由を見ていきましょう。
【参考:子供が家出する動機と行き先|親が早急に保護するための6つの方法】
家庭問題
- 両親と喧嘩をしたから
- 両親が離婚をしたから
- 両親の期待に応えられないから
多感な時期ですから、親の物言いや圧力に耐えられなくなることがあります。「親なんかいなくても一人で生きていける」という気持ちが家出の引き金になります。
学校・友人問題
- いじめにあっているから
- 遊んでいたいから
- 勉強が嫌だから
- 先生が嫌いだから
親が思う以上に、学校には子供にとっての障害がたくさんあります。
ささいな出来事が理由でも「学校に行きたくない」という感情が芽生えてしまうと、毎日学校に通わないといけないと頭で理解していてもなんとか逃避したいという感情が制御できなくなってしまうのです。
いじめは特に深刻な問題ですが、「マラソン大会があるから行きたくない」「嫌いな先生の授業があるから行きたくない」という些細な悩みが家出という現実逃避につながってしまうこともあります。家にいたら、親は「学校に行け」と言うに決まっているからです。
いつもどおり出かけたように見えても、本人は家出を決心している恐れがあります。
「家出したい」と思ったこと、ある?
我が子を思う気持ちを行動に変えましょう。
調査員が20年以上のベテラン精鋭揃いで業界トップクラスの「綜合探偵社MJリサーチ」にまずはご相談ください。
・電話、メールでの相談可能
※ストーカー等、犯罪性のある調査依頼は請けかねますのでご注意ください。
・24時間、365日対応
・安心の料金設定
家出して1日経過しても帰ってこない場合は早急な捜索を試みる
いくら大人の真似ごとをしようとしても、中学生は未成年の子供ですから、一人で生きていくなんて到底できません。それに家出をした本人も、家出を長丁場にしようとは思っていないはずです。
したがって、1日経過しても帰ってこない場合は、本人の意図に反して外部的要因(事故や事件)が関与している可能性があると考え、一刻も早い捜索を試みましょう。
日ごろから長く家を空けることがない子供が帰宅しなければ「おかしい」と感じた時点ですぐに捜索を始めましょう。
《中学生が巻き込まれやすいトラブル例》
- 暴行
- 傷害
- 強制わいせつ
- 出会い系トラブル
- 強制性交等
【参考:令和2年版警察白書|警察庁】
捜索方法①自力で捜索する
こつ然と姿を消した人の捜索を素人が行うのはとても難しいことですが、それでも居場所の手がかりを探す術が全くないわけではありません。詳しい捜索の仕方については、以下の記事を参考にしてみて下さい。
【参考:人探しの方法10選!誰でも無料でできる方法と探偵に依頼した際の料金】
自力にこだわり過ぎていると、重大な事態であった場合に取り返しがつかなくなります。
捜索方法②警察に相談する
自力での捜索で発見できそうにない場合は、すぐに警察で捜索願を提出しましょう。
事件性が疑われる、お金を持っておらず生命に危険がある、わいせつ被害や買春などの福祉犯罪に巻き込まれる恐れがあるというケースでは、特異行方不明者として積極的な捜索が行なわれます。
危険性が低いケースの家出では、一般家出人として積極的な捜索が期待できません。ただし、社会的・精神的に未熟な年齢である中学生が帰宅しない場合は、特異行方不明者と認められやすいでしょう。
積極的な捜索が期待できなくなるので、いかに「いつもと違う」のかをしっかりと説明しましょう。
【参考:捜索願を警察に届け出る際の知識と届出時の警察の対応】
捜索方法③探偵に依頼する
警察が一般家出人としか扱ってくれず、積極的な捜索をしてくれない場合は、すぐに探偵に相談して捜索を依頼しましょう。
探偵ならば調査依頼を受けたその瞬間からすぐに所在調査を行うことが可能です。この際の調査費用は自己負担となりますが、失踪者の安否が気がかりであるという場合は警察に任せる以外の捜索手段も必ず検討すべきです。
警察とは違い、独自の技術とノウハウで依頼主の要望に応えてくれます。
【参考:探偵が行う所在調査とは|所在調査が可能な例と調査料金】
中学生の家出の解決事例
実在する探偵事務所のホームページに掲載されていた「中学生の家出」の解決事例を紹介します。
家出のきっかけ
15歳(中学生)の娘が家出して帰ってこないとの相談を受けその行方を捜す。
手掛かりは親しい友人の住所リスト・家出の原因になった内容が「高校に進学せず、都会に出て働きたい」との希望が御依頼者様(親御様)の意見と衝突したとの事であった。
中学生くらいの多感な年齢の子供の場合、ちょっとした親子の衝突でも、家出に走ってしまうことがあるようです。
調査開始
最初は、警察・空港・駅などに、調査対象者である娘の写真を持って、届出を行いました。
そして、空港や駅で始発から最終電車まで張り込みを行い、対象者が現れるのを待っていたようです。
2日間の張り込みを実施するも空振りに終わり、恐らくは付近にいるものと断定。友人関係をマークする・・・。
その後友人の一人が夜間に外出する姿を確認。気付かれない様に慎重に尾行する・・・その後友人はコンビニエンスストアでパンや弁当等の買い物を済ませ再び移動を開始する。
・・・行き先は郊外にある古びた借家(一軒家)であった。何で??こんなトコに???その後家の中から時折聞こえる笑い声や内容より被調査人の子供さんであると確信し、御依頼者様に連絡を取る。
結果
慌てて飛んで来られた御依頼者様が中に踏み込むと、悪びれた様子も無く「ゲームの終了」みたいな感じで帰宅の途についた。
~中略~
私はそのまま話を続ける・・今、君がやっている事が後々どんな形で災難となって降りかかってくるかも知れない事を・・・。
その後さすがに怖くなったのか、思い詰めた表情で自身の心境をまるでぶちまけるように話してくれた・・・。
一部の友人と関係が上手くいってない事、両親と進路について意見が合わない事、常に勉強・成績の結果で他の兄弟と差別されるような気持ちがしている事、所持金が無くなったら自殺も考えていた事・・・。
一通り吐き出すと純粋な涙でくしゃくしゃになっている姿を見て「もう大丈夫」と声を掛ける。
探偵という第三者が間に入ることによって、本人の悩みごとや、家族間の衝突を丸く収めることができました。
ただ家に帰ってくるのを待っているだけでは何の解決にもならなかったでしょう。
そういう点でも、探偵に相談する価値があったと言えます。
まとめ|親ができる中学生の家出の防止策とは
思春期の中学生の心は難しいものです。何となく様子がおかしい、家出の兆候が感じられたという時には、あえて実家に預けてみて、生活環境を変えてみるのも良いでしょう。
家業や自営業の親戚の仕事を手伝わせてみるなど、社会生活の難しさや厳しさを体感させるのも、気分転換や社会勉強には最適です。
思春期の心を理解するための歩み寄り、コミュニケーションは親として常に欠かさないようにしましょう。
【関連リンク】
警察庁「行方不明者に関する情報提供のお願い」
24時間相談可能 | 相談・見積無料 |
即日調査可能 | 年間相談実績3600件以上 |