行方不明者届(ゆくえふめいしゃとどけ)とは、警察に対して行方が分からなくなっている人の情報を届け出るものです。受理後に「ただちに捜索が必要」と判断されれば本格的な捜索が行われます。
「行方不明者届」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、これはいわゆる捜索願のことです。(2010年に施行された「行方不明者発見活動に関する規則」により、正式名称が「行方不明者届」に変更されました)
警察庁の統計によると、2019年の行方不明者の届出受理数は8万6,933件でした。もはや“行方不明”は他人ごとではありません。
【引用:令和元年中の行方不明者の状況】
この記事では、行方不明者届に関して次の点を解説します。
- 行方不明者届の出し方
- 行方不明者届を出しても捜索してもらえないケース
- 行方不明者届受理後に警察が行う捜索について
- 行方不明者届を出しても見つからない場合にできること
行方不明では、事件・事故に巻き込まれた可能性も否定できません。的確な対応をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
事件性がないと判断した場合、警察は捜索をしてくれません。『嫌な予感』がする場合には、早急に探偵に相談しましょう。
いなくなってから日が経てば経つほど発見率は下がっていきます。人探しは最初のスピードが肝心なのです。
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この記事の監修者
振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。 |
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行方不明者届の出し方
ここでは行方不明者届の出し方に関して、誰がどこに出せばいいのか、何を書けばいいのか、提出期限はいつなのかについて解説します。
行方不明者届は誰が出せるのか?
原則として、行方不明者と以下の関係性にある人のみ、届出が可能です。
- 行方不明者の親権者
- 行方不明者の配偶者
- 行方不明者の後継人
- 行方不明者の親族
- 行方不明者の監護者
- 行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
- 行方不明者の同居人
- 行方不明者の恋人
- 行方不明者の雇用人
警察は人探し機関ではないので、いくら行方不明者と面識があっても、個人的な依頼(例えば「初恋の人の行方が知りたい」など)を受け付けてくれるわけではありません。
行方不明者届はどこに出せばいいのか?
行方不明者届を出すことが可能な警察署は、以下のように定められています。
- 行方不明者の保護者の住居地を管轄する警察署
- 行方不明者の失踪時の住居地を管轄する警察署
- 行方不明者の失踪時の場所を管轄する警察署
【参考:神奈川県警察|行方不明者相談】
行方不明者届を提出する際に必要なものは?
行方不明者届を提出する際には、以下のものを持って行きましょう。
- 行方不明者の写真
- 書き置きや残されたメモなどの関係資料
- あなたの身分証と印鑑
行方不明者の写真は、最近に撮られたもので、顔がはっきり分かるものと、全身写真があれば理想的です。もしなければ、今ある写真を持って行ってください。
【参考:警視庁|行方不明者相談のご案内】
行方不明者届には何を書けばいいのか?
行方不明者届には、行方不明者に関する情報を明記します。
なるべく多くの情報を警察に提供した方が良いですが、最低でも行方不明者に関する以下の情報は伝えられるようにしておきましょう。
- 行方不明者の本籍、氏名、住所、生年月日、血液型、職業
- 行方不明者の身体の特徴:身長、体重、髪型、身体的特徴(けがや手術の痕、ほくろやできもの等)
- 行方不明者の服装、所持品
- 行方不明になった日時と場所
- 行方不明者が行きそうな場所
- 行方不明者の薬物の使用歴の有無
- 行方不明者の精神病の既往歴
- 行方不明の原因として考えられるもの など
【参考:大阪府|Q4 行方不明者の届出に、準備するものはありますか。】
行方不明者届に有効期限はあるのか?
「行方不明者発見活動に関する規則」には、特異行方不明者手配の有効期間について、手配した日から3ヶ月としています。
したがって、行方不明者届を提出してから3ヶ月は捜索が行われ、警察署長が判断をして3ヶ月ごとに期間の更新がされます。
捜索が継続して行なわれる行方不明者の情報のみ、警察庁のデータベースに掲載され続けることになります。
万が一、見つからず捜索が必要だと判断されなかった場合は、一般家出人と同様に積極的な捜索が期待できないのが実情です。
3ヶ月が経過してしまう前に「行方不明者届を出しても見つからない場合にすべきこと」をご覧ください。
【関連記事】
捜索願を取り下げる方法と捜索願を取り下げる時の注意点
行方不明者届を出しても捜索してもらえないケース
行方不明者届を提出しても、捜索してもらえない場合があります。ここでは、行方不明者届を提出して、捜索してもらえないケースを解説します。
一般家出人に該当する時
一般家出人とは、成人による理由のない失踪やプチ家出など事件性のない行方不明者のことです。
例えば、次のような書き置きやメモが残されていた場合も、一般家出人として捜索してもらえないことが考えられます。
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このような書き置きやメモのことを、失踪宣告書と言います。
警察は、実際に事件が起きたケースと、事件性が非常に高いケース、命に危険が及んでいると推測されるケースでしか積極的な捜索を行ないません。
一般家出人の捜索を行なわないのは、警察が行方不明者の意思を尊重するという意味合いもあると言われています。
積極的な捜索がなされるのは、以下に該当する「特異行方不明者」と呼ばれている方が捜索の対象になります。
第二条
この規則において「行方不明者」とは、生活の本拠を離れ、その行方が明らかでない者であって、第六条第一項の規定により届出がなされたものをいう。
2 この規則において「特異行方不明者」とは、行方不明者のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
二 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
三 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
四 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
五 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
六 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
【引用:行方不明者発見活動に関する規則第2条】
例えば、帰宅して姿は見えないけど、部屋に血痕が残されていた、あるいは、「自殺する」と言って出て行ったなどが挙げられるでしょう。
行方不明者から不受理届が出されている時
行方不明者本人が「探さないでほしい」という意思を警察に示し、行方不明者届不受理届の提出をしている場合も、警察はその本人の意思を尊重し、捜索を行ないません。
行方不明者届不受理届については、関連記事をご覧ください。
【関連記事】
捜索願不受理届|捜索されたくない理由と捜索されない方法
DVなど犯罪目的で行方不明者を捜索しようとしている時
行方不明者に対し、DV・ストーカー行為などが行なわれると警察が判断した場合も、未然に犯罪を防ぐという意味で、行方不明者届の受理が拒否されます。
書類に不備があった時
個人情報などの必須項目に漏れがあったり、記載内容に誤りがあったり、身分証明書や印鑑を忘れた場合は、正式に書類の受理がされず、捜索もされませんので、ご注意ください。
行方不明者届受理後に行う警察の捜索と発見率
前述したように、警察は行方不明者届を出した後、行方不明者の捜索が必要か否かを判断し、必要な場合のみ捜索に当たります。
行方不明者届が受理された場合、警察はどのような方法で捜索を行なってくれるのでしょうか。また、発見される割合と期間はどの程度なのでしょうか。
ここでは、気になる警察の捜索方法と、発見されるまでの期間と発見される割合についてご紹介します。
警察はさまざまな方法で捜索してくれる
主には、メディアに協力してもらう公開捜査、ビラの作成、科学的な見地からも事件解決を試みる鑑識捜査、警察犬捜査、事件関係者のピックアップと事情聴取などが行なわれます。
警察だけで人手が足りない場合は、自衛隊や民間の捜索隊に協力を仰ぐこともあります。
もしもこのような捜索が行われる場合は、発見に至るまでかなりスピードアップしますが、それだけ事件性や緊急性が高いということになります。
したがって、元気な状態で再会できない可能性もあります。詳しい捜索の内容については、以下の記事を参考にしてみてください。
【参考:捜索願を警察に届け出る際の知識と届出時の警察の対応】
行方不明者の発見率は1~2週間で低下する
冒頭でもご紹介した警察庁の統計によると、行方不明者が発見される期間と割合は以下の通りです。
【引用:令和元年中の行方不明者の状況 】
警察に行方不明者届を提出した46.8%が受理当日に所在確認されています。一方で、発見率は8~14日で3.4%まで低下してしまいます。
したがって、行方不明者届は当日か翌日には届け出てください。
行方不明者届を出しても見つからない時にできること
警察が捜索をしてもなかなか見つからない、あるいは、警察が積極的に捜索してくれない場合、警察だけに任せておくのは危険かもしれません。
繰り返しになりますが、事件・事故に巻き込まれた可能性や、1~2週間で発見率が大きく低下してしまうことを考えても、すぐに行動を起こしてください。
ここでは、あなたの大切な人が見つからない場合に、できること、すべきことをご紹介します。
自分でも捜索を行う
あなたの大切な人がいなくなってしまった場合、恐らくあなた自身でも行方不明者になってしまった人を探していることでしょう。
ご自身でも可能な人探しの方法を解説している関連記事を参考に、探してみてください。ただし、個人での人探しは、想像がつく通り、限界があります。
そういった場合は、後述しますが、人探しのプロである探偵にすぐに依頼してください。大切な人がいなくなってしまった時に、神にも祈る気持ちで、霊視や占いなどに頼る方もいます。
心の安定のためには、必要なことかもしれませんが、少しでも発見の確率を高めたいのであれば、探偵に依頼した方がよいでしょう。
【参考:人探しの方法10選!誰でも無料でできる方法と探偵に依頼した際の料金】
探偵に調査を依頼する
調査のプロである探偵は、人探しにおける知識にも長けており、調査のための専門的な機材も複数所持しています。
もちろん依頼料金はかかってしまいますが、行方不明者になってしまった人を一刻も早く発見してほしいのであれば、依頼することを強くおすすめします。
特に一般家出人として、警察が捜索を行なわないケースでも、探偵は力強い味方となってくれます。
行方不明になってから1週間を経過してしまう前に、まずは探偵に相談して無料で見積もりを出してもらいましょう。
【参考:探偵が行う所在調査とは|所在調査が可能な例と調査料金】
【関連リンク】
警察庁「行方不明者に関する情報提供のお願い」
厚生労働省「行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ」
まとめ
この記事では、次の点を解説しました。
- 行方不明者届の出し方
- 行方不明者届を出しても捜索してもらえないケース
- 行方不明者届受理後に警察が行う捜索について
- 行方不明者届を出しても見つからない場合にできること
あなたのご家族や大切な人が行方不明になってしまったのであれば、まず行方不明届を提出してください。
一般家出人として、捜索を行なってもらえなくても、警察のデータベースに登録されれば、他の形で見つかる可能性もあるかもしれません。
また、行方不明から1週間経過する前に、探偵に依頼するなどして何かしらの手段を講じてください。
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