公示送達は訴えたい相手の所在が一切不明であり、訴状の送達が困難である場合に、所定の方法で訴状が送達したものとみなす便利な制度です。ただ、実際に裁判が行なわれたらどのような影響を与えられるのか、詳細までちゃんと把握できている人は少ないのではないかと思います。
この記事では公示送達の効力の期間や裁判をするメリットなどを紹介していきますので、公示送達を検討されている場合はぜひ参考にしてみて下さい。
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目次
公示送達の期間について
効力発生日は2週間後
公示送達は申請が認められて裁判所で掲示を始めた日から、2週間後にその効力が発生します。(※申請が認められた日でなく掲示が開始された日)
公示送達は、前条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。
【引用:民事訴訟法第112条】
ただし、外国にいる相手の住所が確認できずに公示送達を申請したという状況に限っては、6週間後に効力が発生します。効力発生日までの期間が少し長くなるのでご注意ください。
外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
【引用:民事訴訟法第112条】
掲示を始めた翌日に効力が発生するケース
基本的に公示送達の効力が発生するまでの期間は2週間と定められていますが、同じ相手に2度目の公示送達をする状況に限っては、掲示をした翌日より効力が発生します。
第百十条第三項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。
【引用:民事訴訟法第112条】
同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。
【引用:民事訴訟法第110条】
公示送達で裁判を進める場合は、訴状を認めてもらうためのものと裁判結果を認めてもらうためのもの、2回の申請を出すことが一般的なので、『裁判結果が有効となる期間』=『14日』+『裁判期間』+『1日』と認識しておくと分かりやすいかもしれません。
相手が不在の状態で裁判をするメリット
借金などの時効を延長できる
賃金業者や住宅ローンは10年、個人間や銀行の融資は5年と借金には時効が定められているため、その期間中ずっと債務者に身を隠されてしまえば、債権者は催促ができず借金を踏み倒されてしまいます。
しかし、訴訟を提起して確定判決を得れば、時効期間はリセットされます。ただ、訴訟を起こそうにも、債務者の住所が移転してしまって不明であり、所在が全く知れないということはあり得る状態です。そのような場合に、公示送達制度を利用すれば、債務者を探し出さずに、訴訟提起による時効中断の効力を得られる可能性があります。
公示送達をする際の注意点
判決が出ても強制執行は難しい
公示送達で判決を得ても相手方の住所が分からなければ、相手方の財産状況が把握できませんので、現実問題として強制執行を実行するの難しいと思われます。
なので、公示送達制度は相手の財産状況をある程度把握している場合や、時効中断をする場合のために活用すべき制度と言えるでしょう。
ちなみに、公示送達はあくまで相手の所在が不明であって送達が困難という場合に限り利用できます。そのため、原告側において相手の所在確認をすべく相当の努力をしたことを証明しない場合には、利用が認められないこともあります。
申請には念入りな調査結果が必要になる
公示送達は相手の住所が分からない場合であればすぐ申請できるものではなく、相手の住所を自分でこれ以上調べるのは難しいと証明できる状況でないと申請は認められません。
周囲の住人への聞き込み・住民票に登録されている住所への訪問・職場への所在確認など、事前にやるべき調査がたくさんあります。
【関連記事】
公示送達の要件とは|許可の判断基準と申請の際の事前準備について
この調査を怠ってしまうと公示送達にはのぞめません。公示送達で判決が出ても後から調査を怠っている事実が発覚してしまえば、判決は取り消されてしまうのでご注意ください。
捜索願を出してもほとんどのケースで探してはもらえません。
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公示送達をせずなんとか相手方を見つけたい場合
探偵に人探し調査を依頼する
公示送達が認められないもしくはやる意味がない状況の場合には、自分で相手を見つけ出して裁判に持ち込むしか問題の解決手段がありません。
個人で相手を探し出すのがどうしても難しいならば、人探しのプロである探偵に依頼して調査を任せるという選択肢も検討されてみてはいかがでしょうか?
殺人や詐欺など犯罪行為や事故に巻き込まれたなどの緊急事態でなければなかなか警察は動いてくれません。しかし、探偵は民間の業者なので、依頼をすればすぐに調査に動いてくれます。探偵の調査は、自分だけで調査をするよりも相手の所在を突き止められる確率が大幅に高くなります。
探偵を選ぶ時の注意点
依頼が成功するかどうかは探偵の選び方が強く影響してきます。もし探偵に依頼をする場合は、以下の点に注意をして選ぶようにして下さい。
- 人探しを得意としているか
- 探偵届出番号を開示しているか
- 人間的に相性が合いそうか
また、探している相手が前に住んでいたもしくは出会った地域で活動している探偵に依頼をすれば、地の利により情報収集がしやすく発見できる可能性も高まります。余裕があれば、探偵が事務所を構えている地域も考慮するとなお良いでしょう。
【関連記事】
失敗しない探偵の選び方|こんな事務所は怪しい・お金が無駄に
探偵費用の相場について
探偵の人探しの相場は1週間の調査で56万円前後と言われています。
【出典:主婦の友生活シリーズ 探偵の探し方・頼み方ガイド】
大体の目安を知りたい場合は、まず見積もりだけでも出してもらうことをおすすめします。
成果報酬型や時間料金型など探偵によって料金形態が異なるので、複数の探偵から見積もりを出してもらってから依頼先を検討していきましょう。
ちなみに、探したい相手の前住所や出身地、勤務先など分かることは全て探偵に伝えましょう。探偵の調査の手間を少なくすれば、費用を安く抑えることも可能です。
【関連記事】
探偵の人探し調査の料金項目と相場|費用を安くするコツと高くなる条件
まとめ
公示送達の効力が発生するまでの期間は2週間(海外だと6週間)で、二度目以降の公示送達は1日後に効力が発生します。
ただ、公示送達の申請には手間がかかり利用すべき状況も限られてしまいますので注意するようにしましょう。
この記事が公示送達をするべきかどうかの判断材料として少しでも役立てば幸いです。
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