相続人調査

行方不明の相続人を探す方法|行方不明者がいても財産を相続する方法

     
行方不明の相続人を探す方法|行方不明者がいても財産を相続する方法
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「父が亡くなり財産を相続したい。でも弟が行方不明のまま遺産は相続できるの?」などと疑問を抱いている方がこのページを訪れたことでしょう。

結論から言うと、行方不明者を除いての遺産相続はできません。遺産分割協議(財産の分け方を話し合う会議)は相続人が全員参加する必要があるからです。まずは行方不明者を探しましょう。どうしても行方不明者を探しても見つからない場合には代理人を立てて財産について話し合うこともできます。

今回は、

  • 行方不明者を探す方法
  • 行方不明者を探偵に依頼した場合の費用
  • 行方不明者がいなくても財産を相続する方法

についてお伝えしていきますので参考にしてください。

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相続人に行方不明者がいると遺産分割ができない理由

ビジネスパーソン

冒頭でもお伝えしましたが、遺産分割協議は相続人全員で合意する必要があります。というのは、行方不明者だとしても財産を相続する権利を持っているからです。連絡が取れなくなったからといって財産を相続する権利はなくなりませんし、無視して話し合いをすることはできません。

 

行方不明者を除いて財産を相続する方法

相続人の中に行方不明者がいても、以下の方法を取れば財産を相続できます。

①不在者財産管理人選任の申し立て
②失踪宣告
③帰来時弁済型の遺産分割

この3つの方法を使えば財産を相続することはできます。しかし、一番いい方法は家族が揃って遺産分割協議をすることなので、まずは行方不明者を探す方法からご紹介していきます。

※先に上述した3つの方法を知りたい方はこちらをクリック・タップしてください。

行方不明の相続人を探す方法6つ

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行方不明者を探す6つの方法をまとめました。

①戸籍の附表から探す

戸籍の附表は今まで引っ越した全ての住所が記録されている書類です。今までにどこに引っ越したのかの記録があるので、行方不明者が生きているなら現在どこに住んでいるのか知ることができます。

しかし、市役所に転入届(引っ越した時に提出する書類)を出していない・結婚して戸籍を抜けたなどの場合は、戸籍を除籍した記録までしか追えないので、行方不明者が今どこに住んでいるのかまでは分かりません。

②警察に捜索願を提出する

警察に捜索願を提出して行方不明者を探してもらう方法です。ただし、誘拐・事故などの事件性がない場合には警察は動くことはありません。事件性がない場合は、パトロール時など行方不明者を見つけた際に連絡をもらえます。

【関連記事】
捜索願を警察に届け出る際の知識と届出時の警察の対応
捜索願を出された人が成人の場合の警察の対応の真実
捜索願の費用|捜索願の提出時と実際の捜索にかかる費用

【関連リンク】
警察庁「行方不明者に関する情報提供のお願い

③インターネット掲示板を利用する

行方不明者の顔写真・名前・年齢・身長などの基本情報や行方不明になった時の状況を詳しく書き込み、掲示板に投稿します。気をつけてほしいのは、行方不明者の顔写真を載せるかどうかです。インターネットに写真の書き込みをすると、ネットに一生残る可能性がありますので、行方不明者のことを考えると載せない方がいいかもしれません。

④SNSを利用する

世界中の人と交流できるSNSを利用すれば、行方不明者の手掛かりを掴める可能性もあります。

Twitter

インターネット掲示板で投稿した内容と同じことをツイートしてください。ただ140文字の文字制限があるので書き込む時には内容をまとめましょう。

Facebook

Twitterと違い約6万文字まで書き込みできるので、文字制限のことは気にしないで投稿しましょう。Facebookの良いところは文字制限があるだけではなく、行方不明者の友人・知人と直接コンタクトを取ることもできます。
※行方不明者がFacebookを利用している場合

Instagram

現在(2021年2月)流行っているのは、Facebookより断然Instagramです。Instagramにも行方不明者を探していることを投稿しましょう。

⑤同じ地域に住んでいるならビラを配る

戸籍の附表で住所を調べた結果、行方不明者がまだ同じ地域に住んでいることが分かればビラを配りましょう。ビラは同じ地域に住んでいる場合には効果的だからです。

ビラの費用

自分で1,000枚のビラを作ると約5万円かかり、業者に依頼をすると約6~7万円です。

ビラに載せる情報

以下の情報をビラに載せてください。

  • 本人の名前
  • 年齢
  • 性別
  • 特徴
  • 行方不明になった時の服装
  • 行方不明の時期
  • 行方不明になった状況
  • 家族からの一言
  • 報酬金

報酬金を載せた方が情報をたくさん集められるからです。ただ報酬金目当てのガセ情報も多いので、情報は見極めてください。

⑥探偵に依頼をする

「警察に捜索願を出したけど、事件性がないから探してもらえない…」と悩んでいる人は探偵に依頼をしましょう。探偵の費用は決して安くありませんが、調査力の高さは折り紙付きです。行方不明者を自分で見つけるのが難しい場合には、探偵に依頼してみてください。

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探偵の費用

行方不明者などの人探しを探偵に依頼した時にかかる費用の相場は1週間の調査で56万円前後です。

【出典:主婦の友生活シリーズ 探偵の探し方・頼み方ガイド】

探偵を選ぶ基準

人探しを得意とする探偵の見極めるポイントは以下の通りです。

  1. 調査員が多い
  2. 実績がある
  3. TV局などのメディアに調査協力をしたことがある

人探し調査のメイン業務は聞き込み調査なため、人数が多い方が効率的にたくさんの情報を見つけられます。また、実績がある探偵なら、今まで積み重ねてきた経験をもとにスピーディーな調査も可能です。TV局に依頼を受けたことがあるということは、調査力の高さを示す証拠と言えます。

【関連記事】
失敗しない探偵の選び方|こんな事務所は怪しい・お金が無駄に

探偵に渡すべき情報

探偵に依頼するのであれば、以下の情報をまとめておきましょう。

  • 行方不明者の名前
  • 年齢
  • 生年月日
  • 出身地
  • 性別
  • 身長
  • 体重
  • 趣味
  • 写真
  • 友人・知人の情報
  • 交際相手の情報(知っている場合)
  • 車のナンバープレート
  • 携帯の番号
  • 交友関係
  • 勤務先の住所
  • よく立ち寄る場所
  • 行方不明者の服装
  • 行方不明になったのはいつか
  • 何かトラブルを抱えていたか
  • 行方不明になることをほのめかしたかなど

※探偵会社によって求められる情報は増えることもあります。

探偵が探せる範囲

国内問わず・海外にもネットワークがある探偵であれば、外国に行った人でも探し出せます。

相続人が見つからなかった場合の対処法3つ

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行方不明者を探しても見つからない場合には、代わりを立てる、もしくは法的に亡くなったことにすれば財産を相続できます。

  • 不在者財産管理人選任の申し立て
  • 失踪宣告
  • 帰来時弁済型の遺産分割

それではひとつずつ紹介していきます。

①不在者財産管理人選任の申し立て

不在財産管理人(ふざいざいさんかんりにん)とは、行方不明者の代わりに相続する財産を管理する人です。行方不明者の住所を調べて、住んでいないことが分かれば、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申し立てをしましょう。家庭裁判所から許可が下りれば、不在者財産管理人を立てることができるため、遺産分割協議を行うことができます。

【関連記事】
相続人に行方不明人がいる時の遺産分割手続き|相続弁護士ナビ
【5分でわかる】遺産分割協議書の必要書類!集める際の注意点とは!|相続弁護士ナビ

 不在者財産管理人選任の申し立て費用

  • 収入印紙800円
  • 家庭裁判所から書類を送付するときに必要な郵便切手代(値段が申し立てする家庭裁判所で確認してください)

【参考:不在者財産管理人選任|裁判所

 不在者財産管理人選任の申し立てにかかる期間

不在者財産管理人選任の手続で、申し立てをして結果が分かるまでの期間の目安は、約1~2ヶ月です。

【参考:「不在者財産管理人選任」の手続とは…|裁判所

②行方不明者がいなくなって7年以上経っているなら失踪宣告

失踪宣告(しっそうせんこく)とは、生きているか分からない人を法的に死亡したこととみなす制度です。身内に7年以上行方不明になっている人がいるのであれば、失踪宣告を使いましょう。

【関連記事】
失踪宣告をする方法と流れ|見つかった場合の失踪宣告を取り消す方法

失踪宣告の手続にかかる費用

  • 収入印紙800円
  • 家庭裁判所から書類を送付するときに必要な郵便切手代(値段が申し立てする家庭裁判所で確認してください)
  • 官報広告料4,816円

【参考:失踪宣告|裁判所

失踪宣告の手続にかかる期間

失踪宣告の手続には約7ヵ月かかります。期間の内訳は以下の通りです。

  1. 失踪宣告の申し立てをして結果が分かるまでが約6ヶ月間
  2. 結果の連絡から確定までが14日間
  3. 確定証明書の申請は市役所に10日以内に行う

【参考:「失踪宣告」の手続とは…|裁判所

③不在者財産管理人のことを考えるなら帰来時弁済型の遺産分割

帰来時弁済型(きらいじべんさいがた)の遺産分割とは、相続人の誰かが行方不明者の相続する財産を預かる方法です。もちろん、不在者財産管理人選任の申し立てはできます。

不在者財産管理とは、簡単に言ってしまえば知らない人の財産をいつまでも預かっておくこと。もし自分に置き換えた時、知らない人の財産をいつまでも預かるのは大変ですよね。帰来時弁済型の遺産分割なら、身内が財産を預かるので不在者財産管理人の負担を減らしてあげられます。

なお、帰来時弁済型の申し立ての手続は、不在者財産管理人と同じく家庭裁判所です。

まとめ

親などの身内が亡くなって財産を相続しようと思っても、相続人に行方不明者がいるなら遺産分割協議はできません。遺産分割協議をしたいのであれば、まずは行方不明者を探しましょう。行方不明者を探す方法は、SNSを利用したり、戸籍の附表を使ったりと様々ですが、一番おすすめなのは探偵に依頼をすることです。

もし、探偵に依頼をしても行方不明者が見つからない場合には、代理人を立てたり、代理人を利用できる制度を使いましょう。

  • 不在者財産管理人選任の申し立て
  • 失踪宣告
  • 帰来時弁済型の遺産分割

この3つのどれかを使えば、行方不明者が見つからなくても財産を相続できます。

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