被相続人が亡くなられた場合、遺書等で相続分の指定がない限り、民法で決められたルールに従って、分配がなされます。
しかしながら、誰が相続人になれるのかは、「戸籍」を確認しなければならず、場合によっては、全く面識のない人が相続人である場合も考えられます。
このような場合、全く面識のない人とも連絡を取らなければ遺産分割が出来ませんが、1度も会ったことない人の行方を自力で探すのはとても大変です。そこでこの記事では、相続人特定の方法から、行方が分からなくなってしまった人の探し方など詳しく書いています。
「誰が相続人あてはまるのか」、「〇〇さんは今どこにいるのだろう」など、相続に関してお悩みの方はぜひこの記事を参考にしてみてください!
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目次
相続人が誰なのかわからないときの探し方
相続人に誰が該当するのかわからない場合、以下のような手順を踏めば、相続人を確定することができます。
①被相続人の本籍地の戸籍謄本(こせきとうほん)を手に入れる
まず初めに、相続人に誰が当てはまるのか分からないとき、被相続人(遺産を残して亡くなった方)の本籍地の戸籍謄本を手に入れる必要があります。
戸籍謄本とは、その戸籍に入っている全員の名前、生年月日、続柄など様々な情報が記載されています。
②被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を全て集める
次に、効率よく戸籍を全て集めるために、死亡した時から出生の時まで1つずつ遡っていきます。
戸籍には、現在の戸籍謄本のほか、戸籍の書き換えが行われた時の、改正原戸籍謄本や、戸籍に記載されている全員が亡くなったり、結婚したことなどによりその戸籍に誰もいなくなった除籍謄本の3種類があります。
戸籍謄本が紙から電子に変わったり、戸籍様式の変更などがあったため、高齢になればなるほど、戸籍謄本の数は増えていく傾向にあります。
③相続人を確定する
最後に、下記のルールに従って、相続人を確定させていき、その相続人全員の戸籍も集めます。
前提として、法定相続人になることができるのは配偶者(婚姻関係にある相手)と血族(血が繋がっている、あるいは養子縁組をした)です。
また、相続には民法で順位が決められており、前の順位の人が相続人になれば、次の順位の人は相続人になることはできません。
必ず相続人になる | 配偶者 |
---|---|
1位 | 被相続人の子、又は代襲相続人 |
2位 | 被相続人の父母 |
3位 | 被相続人の兄弟姉妹、又は代襲相続人 |
※代襲相続人:被相続人の子または兄弟姉妹が、すでに死亡している等の理由で相続できない場合、その人の子どもが代わりに同じ順位で相続人になる。
戸籍謄本の申請方法
戸籍謄本を申請するには、直接役所に行って申請する場合と、郵送で申請する場合の2つがあります。
役所で申請する場合
戸籍を手に入れるには、役所で手続きをする必要があります。戸籍謄本を請求できるのは、原則その戸籍に記載されている人物、又は直系尊族(例:父母、曽祖父母、子など)に限定されています。
そのため、親戚など代理の方が請求する場合は委任状が必要になります。一方、弁護士は職権を使って請求することができるため、委任状無しで請求することができます。
郵送で申請する場合
本籍地の役所が遠方にある場合、郵送で戸籍謄本の申請を行うこともできます。
その場合、運転免許証やパスポートのコピー1枚、手数料分の郵便低額小為替、自分の宛名を書き切手を貼った返信用封筒1枚、申請依頼書1通を役場に送ります。
以下に戸籍謄本を郵送で申請する際に必要なものを記載します。
- 戸籍郵送請求書
- 手数料分の定額小為替
- 本人確認書類の写し
- 返信用封筒
- 必要に応じて親族関係書類の写し
(直系の孫が祖父母の戸籍を取得する場合など)
相続人の住所や連絡先がわからない時の探し方
相続人が誰かはわかっているけれど、その人の行方が分からない場合、以下のようにして探し出すことができます。
相続人の知人に事情を聞いてみる
まず、相続人の住所や連絡先がわからない場合、勤め先の会社であったり、連絡先を知っているのなら、相続人の友人などに連絡をしてみましょう。
上記の人たちに連絡を取ることができるのならば、比較的早くに相続人のを見つけることができると思われます。
警察に相談してみる
相続人の行方が全く分からない場合であると、最悪の場合、犯罪に巻き込まれてしまっている可能性が考えられます。そのような場合には警察に捜索願を出しましょう。
しかしながら、警察は事件性がない場合には動いてはくれないので、パトロール中や通報で見つかった場合に、見つかったとの連絡をもらうことができます。
SNSで探してみる
今日の世界では、インターネット環境が非常に整備されています。故に、インスタグラムやツイッター、フェイスブックなどに探している相続人の情報が見つかる可能性があります。
行方不明の相続人の名前や、関連するキーワードで検索してみて、本人の情報と合致するようなものがあれば、その情報は有用な可能性があります。
また、ネットの掲示板での行方不明の相続人の情報を書き込み、目撃情報を集めるという方法もあります。
しかし、行方不明者の顔写真や、個人情報を載せてしまうと、悪用されてしまう可能性があり、1度ネットに上がってしまった情報を完全に消去するのはほぼ不可能です。
ネットで、個人情報を上げるときには、細心の注意を払う必要があります。
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探偵に探してもらう
探偵は、「人探し」に特化しているため、わずかな情報から対象を見つけ出すことができます。しかし、ターゲットの状況や、事前に手に入る情報の多寡により、発見できるスピードが変わってきます。
探偵に依頼する場合は、まず相談窓口などを利用して、見積もりを立ててもらうのが得策でしょう。
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探すのをあきらめたときの対処法
不在者が見つかりそうになく、探すのをあきらめて、遺産分割を進めるには3つの方法があります。
不在者財産管理人の申し立てを行う
不在者財産管理人とは、相続時に不在のものに代わる代理人の事をいいます。遺産分割協議の際、原則相続人全員で参加しなければなりません。
しかし、相続人の1人が行方不明となってしまい、協議が滞ってしまうというのでは多くの人が不利益を被ることとなってしまいます。そこで、家庭裁判所の許可を得て、不在者財産管理人を立てることによって、遺産分割協議を行うことができます。
失踪宣告(死んだとみなす)
失踪宣告とは、生死不明のものに対して、法律上死亡したものとみなす効果を生じさせるものです。
失踪宣告(普通失踪)を成立させるための要件は、
- あるものについて生死不明のまま、7年間が過ぎていること
- 利害関係人から請求がなされたこと
の2つです。失踪宣告の申請も、家庭裁判所に書類を申請することで受理され、手続きが完了するまでおよそ7ヶ月がかかるとされています。
【関連記事】
・失踪宣告をする方法と流れ|見つかった場合の失踪宣告を取り消す方法
・失踪者が法律上死亡したとみなされるのは7年|失踪宣告の手続き方法
相続人探しは探偵に依頼するのがおすすめ
行方不明の相続人を探すには探偵に依頼するのがおすすめです。相続人の行方が分からないとき、大抵の場合はその行方不明の人物と親しい人物はおろか、勤め先や住所が分からない場合がほとんどだと思われます。
そんな中、自力で探すのはほぼ不可能でしょう。しかしながら、人探しを得意とする探偵には、独自のデータベースがあり、そこから行方不明者と親しい人物など割り出すことができます。
したがって、効率よく迅速に相続人を探すには探偵に依頼することがおすすめです。
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まとめ
相続人に誰が該当するか分からないとき、被相続人の戸籍謄本を遡って確定することができます。
また、相続人の行方が全く分からない場合は、探偵に依頼することで発見することができます。
探偵に依頼すれば、高確率で相続人を発見することができ、円滑に遺産分割会議を進めることができるでしょう。
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