家出にはどのような持ち物が必要になるのでしょうか。
もちろん家出自体は推奨できるものではありませんが、手ブラでの突発的な家出がきっかけで思わぬ事件に巻き込まれてしまったり、逆に自分が犯罪者になってしまったりすることがあります。
家出をする目的、家出の行き先、家出の期間などは人それぞれですが、家出人の持ち物をチェックすれば有力な手掛かりが見つかる可能性があります。
今回の記事では、家出経験者の多くが「必要」と感じた持ち物について解説します。
現在身近な方が家出をして消息がつかめず困っているという方は、家出人の「持ち物」に注目して手がかりを探してみましょう。
自力捜索の参考になるでしょう。
この記事の監修者
振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。 |
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目次
家出に欠かせない3つの持ち物
家出に最低限必要な3つの持ち物について解説します。
①金銭
宿代、食費、移動費など、家出には何と言ってもお金がかかります。1ヶ月以上に渡る長期的な家出の場合には、最低でも10万円以上は必要でしょう。
仮に1泊2,000円(長期滞在者向けプラン)のインターネットカフェを利用する場合、1ヶ月で60,000円かかります。また、ホテルに滞在する場合でも、格安ホテルで1泊3,000円、1ヶ月で90,000円もかかります。
家出人が身を寄せる場所としては、ウィークリー・マンスリーのマンションも考えられます。
敷金・礼金などの初期費用が不要なので安く入居できるイメージがありますが、原状回復費用が必要だったり、賃料自体が高かったりするので、やはり安い出費ではないでしょう。
知人や親戚の家を転々としていれば宿代はかかりませんが、食費や移動費は発生します。車中泊や宿無し生活では犯罪に巻き込まれるリスクが一気に高くなると考えておいて下さい。具体的には以下のようなリスクがあります。
- 失踪者に目を付けた暴力団員に声をかけられ暴力団に引き入れられる
- おいしい話を持ち掛けられて知らず知らずのうちに犯罪に加担させられる
- 強姦を目的とした人物に「自宅を提供する」などと甘い言葉をかけられる
- その場で強姦される
- 恐喝や強盗に遭う
いくら日本は安全な国といっても、こうした事件は実際に起きています。0円サバイバル生活といったバラエティ番組が放送されることもありますが、そのような番組には演出もたくさん含まれています。あくまでも専門家の監修のもと安全を考慮し撮影されているものですから、決して真似をしないでください。
なお、家出先でクレジットカードを使用すると明細書から自分の足取りが割れてしまいます。絶対に居場所を知られたくない家出人は、クレジットカードの使用を避けるため、基本的には手持ちの現金で乗り切るか、現地で調達するケースが多いようです。
②身分証明書
健康保険証、免許証、パスポートなどの身分証明書も重要です。家出先でけがや病気をして病院にかかる際には健康保険証がなければ高額な医療費を支払うことになります。家出中に仕事を探すにしても、身分の分からない人に提供される仕事はブラックで危険な仕事ばかりです。
【関連記事】
家出した人が就く仕事|身分証や銀行口座なしでも働ける仕事の解説
アパートやマンションを借りる場合でも、身分証明書は必須です。どこの誰かも分からない人に物件を貸してくれるオーナーはほとんどいません。
住み家がなければ、犯罪に巻き込まれたり、思いがけず犯罪に加担させられたりするリスクが高まります。
もし事件や事故に巻き込まれて大きなケガをした場合などでは、身分証明書を持っていることで身元が判明して家族などに連絡が入ることになります。
③衣類
家出が長期間に及ぶ場合、どんな気候、気温に対しても適応できるように、夏もの衣類と冬もの衣類はそれぞれ数点用意しておく必要があります。特に真夏は体温調節をしっかりしなければ熱中症の危険が高まり、真冬は薄着でいれば凍死や凍傷の危険性が高まります。
荷物は重くなるかもしれませんが、都度衣類を現地調達するとさらにお金がかかってしまいます。
計画的な家出では、着回しがよく丈夫な素材のものが好んで選ばれるようです。
番外編:DVやストーカーから逃げるための家出に必要な持ち物
夫の暴力やストーカートラブルに悩まされており、やむを得ず自宅から出なければならないという方もいるかと思います。
単純な「家出」ではなく危険を回避するための「避難」なので、次のようにしっかりと身の回り品を整理して持ち出す必要があります。
- 預金/預金通帳と印鑑(子供がいれば子供名義のものも含む)
- クレジットカード
- 身分証明書(保険証・運転免許証・パスポートなど)
- 相談機関や知人などの電話番号リスト・住所録
- 不動産や財産に関する法的書類のコピー
- 常備薬、処方箋、衣類(子供がいれば子供のおむつや衣類など)
- 写真や形見など大切にしたいもの
- 調停の際の証拠となるもの(診断書・被害届・日記など)
【参考:内閣府男女共同参画局「配偶者からの暴力の被害者対応の手引」】
家出中の持ち物に携帯電話が不要なワケ
ここまでの説明で、あなたが日ごろから常に持っている「ある物」が抜けていたと感じませんでしたか?
そう、携帯電話です。携帯電話・スマートフォンは、連絡ツールとしても情報ツールとしても必須でしょう。
ところが、家出をする場合には、携帯電話が不要になるどころか、むしろ計画的に「置いていくべきもの」だと判断されることがあります。
なぜ家出中の持ち物に携帯電話が不要なのでしょうか?
GPS機能で見つけられるから
もしも家出人が事件に関与しているかもしれない行方不明者として扱われれば、警察が発信源から携帯電話(所持者)の位置情報を特定することも難しくありません。プチ家出程度ならば話は別ですが、事情があり絶対に見つかりたくないと考えている人ほど、それまで所持していた携帯電話は処分し、家出先で携帯電話を仕入れる傾向にあります。
料金未納でいずれ止まるから
携帯電話料金が預金口座やクレジットカードからの引き落としになっていれば、数ヶ月間は問題なく携帯電話を利用できるでしょう。ところが、郵送される払込用紙で支払いをしている場合は、払込用紙が手に入らないため料金支払いができなくなります。住所変更をすれば払込用紙が送られてきますが、そうすれば家出先がバレてしまいます。
携帯電話料金をずっと支払わずにいれば、当然いつかは使用を止められてしまいます。
電話とメールの嵐ですぐ電池が切れるから
家出したことが周知されれば、家出人の身を案ずる人たちからの電話やメール、LINEなどが頻繁に届くことになるでしょう。これに対してまともにレスポンスをしないので、家出または失踪という扱いになるわけですよね。
レスポンスをしないのであれば、携帯電話などただの受信機でしかありません。そのうち電池も切れ、充電ができる環境に身を置かない限りはそのまま切れっぱなしの状態となります。これではただの荷物です。
連絡ツールがあると帰りたくなるから
TwitterやLINEなどのSNSを使えば、携帯電話ひとつで人と様々なコミュニケーションが取れます。これにより、それなりの覚悟をもって家出を決行したのに、携帯電話を眺めるたびに寂しくなったり帰りたくなったりと家出継続に支障が出てしまうことになります。
家出人が自宅に残したものには手掛かりがある
ここでは、家出人が自宅に残した持ち物から行き先の手掛かりを掴む方法について見ていきましょう。
カレンダー・日記・手帳
スケジュールを管理するアイテムには、
- 家出の計画
- 家出に関与している重要人物との密会予定
- 家出してからの予定
などについて書き込まれている可能性があります。くまなくチェックして手掛かりを探しましょう。
手紙・遺書
家出人が、近親者に対して何かしらのメッセージを残している場合があります。自殺を考えている人は、自殺の理由や死後の遺産などについて記した遺書を残したり、とにかく探してほしくないと考えている人は、「失踪宣告書」を残したりしていることがあります。
この失踪宣告書とは、失踪者が、
- 事件性がないこと
- 誰の関与もないこと
- 自殺する意思がないこと
- いずれ帰ってくる意思があること
上記を綴った書き置きのことで、これが残されていると、仮に近親者が警察届を提出しても単なる家出とみなされ、積極的な捜索をしてもらえなくなります。
《失踪宣告書の例》
しばらく一人にさせて下さい。事件や事故ではなく自分の意思で旅に出ます。 迷惑をかけますがいつか必ず戻ります。それまで探さないで下さい。 令和3年1月1日 アシロ太郎 |
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警察に相手にしてもらえず、途方に暮れているあなたへ
調査員が20年以上のベテラン精鋭揃いで業界トップクラスの「綜合探偵社MJリサーチ」にまずはご相談ください。
・電話、メールでの相談可能
※ストーカー等、犯罪性のある調査依頼は請けかねますのでご注意ください。
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パソコン
パソコンを使用して家出中の滞在ホテルを予約していた場合もありますので、特に 家出する直近で何を検索していたかを調べるようにしましょう。また、インターネット上に家出の原因である自身の悩みなどを書き込んでいる場合もありますので、こちらもチェックしてみましょう。
ゴミ箱
ゴミ箱にも家出の痕跡が残されている可能性があります。家出先の情報を書いたメモ、家出先までの飛行機のチケットの写しなどが見つかれば現在地を絞り込むことが可能になります。支払いが終わっていない払込書や督促状などが多く捨てられている場合には、家出の原因は借金苦であるとも予想できます。
いずれにせよ、ごみ箱を探るのは本意ではないかもしれませんが、あらゆる手掛かりや証拠品をひとつでも多くチェックすることが重要です。
番外編:部屋から消えたもの
家出人が何を持っていったのかを知ることも重要です。室内から印鑑や身分証明書や常備薬など、生きていく上で絶対になくてはならないものがなくなっていたり、多くの持ち物をバッグに詰め込んで出ていったと見られる場合には、長期的な家出の可能性があります。
一方で、絶対になくてはならないものがそのまま室内に置かれている場合には、何らかの事件に巻き込まれたケースも考慮しなければなりません。家出する兆候も全くなかったのに忽然と姿を消した場合には捜索願の届出を行い、警察にも相談してみることをおすすめします。
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まとめ
今回の記事で解説した「家出に必要な持ち物」は、決して家出を助長するためのものではありません。家出人が「何を必要としているのか」を知ることで、居場所や計画性を知る手掛かりになるのです。
もし、持ち物や自宅に残したものを調べても手掛かりが見つからない場合は、警察への届出だけでなく、人探しのプロである探偵事務所への相談も検討しましょう。
また、この記事を読んでいる方の中には、これから家出を決行するための準備を進めている方がいるかもしれません。
家出にはたくさんのリスクを伴います。
よほどの事情があって家出を検討しているものと察しますが、まずは家出を決意するほどの悩みを身近な人に打ち明けてみましょう。
それでも家出という選択肢を取るのであれば、せめて家族などには居場所を伝え、常に連絡が取れるようにしておきましょう。
「家出」ではなく「独立」であれば、手配や捜索の必要はないはずです。
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