大切な人が失踪してしまって、「警察に捜索願を出せば探してくれる」と考えている方も多いでしょう。しかし、捜索願を届け出たからといって、必ずしも警察が捜索に動いてくれるわけではありません。
捜索願を出しただけで安心していると、いつまで経っても捜索が始まらず、結局失踪者が見つからないという事態にもなりかねませんので、実際に警察はどのように対応しているのか知っておいた方が良いでしょう。
もちろん、すぐに警察が捜索してくれることもありますので、そのような場合は問題ありません。しかし、もし警察が動いてくれない場合には、別の捜索方法を考えなければいけないでしょう。
この記事では、警察に捜索願を届け出る方法や、届出後の警察の対応、警察に頼る以外の捜索方法などを解説しています。一刻も早く行方不明者を見つけたい方は参考にしてください。
なお、「捜索願」は古い呼び名で、現在は「行方不明者届」が正式名称です。ただし、今だに世間一般では「捜索願」が多く使われていることから、この記事では「捜索願」を用いて解説します。
【関連記事】
捜索願の出し方|届出が可能な人と申告すべきこと
ご自分のケースがどちらに当てはまるのかを見極めて、適切な対策を取りましょう。
この記事の監修者
振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。 |
ただし、警察が動いてくれない場合のことも考えて、別の捜索方法も考えるべきでしょう。
探偵であれば、相談後すぐに調査してもらえるのでおすすめです。
探偵に調査依頼した場合、以下のようなメリットが望めます。
- 調査のノウハウを活かして早期発見が望める
- 手がかりが少なくても見つかる可能性がある
- 失踪したことを周囲に知られる心配がない など
失踪後1週間を過ぎると発見率は大幅に下がります。
1日でも早く見つけるためにも、まずは探偵事務所の相談窓口をご利用ください。
行方不明者を探す際は、20年以上の調査実績の「綜合探偵社MJリサーチ」にご相談ください。
・24時間・365日対応
・全国9ヶ所に拠点設置
※ストーカー等、犯罪性のある調査依頼は請けかねますのでご注意ください。
目次
捜索願を警察に届け出る際の基礎知識
まずは、捜索願の概要や提出方法などについて解説します。
捜索願とは
捜索願とは、行方不明者を警察に捜索してもらう際に必要な書類です。
警察では、居住地から離れて所在が明らかでない人を「行方不明者」として扱っており、捜索願の届出があった際には捜索を行います。ただし、警察庁統計によると2019年には84,362件もの捜索願が出されており、警察としては全て捜索することが難しく、優先順位をつけて対応しているのが現状です。
捜索願を届け出る際は、警察署に捜索願を届け出たい旨を伝えるだけで手続きでき、費用などもかかりません。また、もし発見できた際は連絡するよう警察にお願いすることも可能です。
ちなみに、2010年4月に「行方不明者発見活動に関する規則」が施行されたことで、行方不明者に関する名称変更が行われ、「家出人」は「行方不明者」、「捜索願」は「行方不明者届」へと変更されています。
【関連リンク】
行方不明者相談のご案内|警視庁
【関連記事】
捜索願の費用|捜索願の提出時と実際の捜索にかかる費用
捜索願とは|捜索願の届出方法と不受理になるケース
行方不明者届とは|行方不明者届の正しい出し方と注意点
警察署の窓口では「夫がいなくなった」「娘が帰宅しない」といった状況を伝えるだけで対応してもらえます。
捜索願を提出できる人
捜索願は、誰でも提出できるわけではありません。原則として、以下のような行方不明者の関係者であれば提出できます。もし以下に該当しない場合は、関係者に連絡して捜索願を出すよう伝えましょう。
- 親権者
- 配偶者
- 後継人など親族や監護者
- 行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
- 同居人
- 恋人
- 行方不明者の雇主
- 行方不明者と親密な関係にある者 など
【関連記事】
捜索願が他人には出せない理由と自力で他人を捜索する方法
捜索願の届出先
原則として、捜索願は以下の警察署に届け出る必要があります。よほどの緊急時でない限り、管轄外の警察署に届け出ようとしても対応してもらえません。
- 保護者等の住居地を管轄する警察署
- 行方不明者の失踪時の住所地を所轄する警察署
- 行方不明者が失踪した場所の管轄警察署
【関連リンク】
警察署一覧|警視庁
捜索願を届け出る際に必要なもの
捜索願を届け出る際は、「行方不明者に関する情報」と「届出人の本人確認書類」が必要です。以下でそれぞれ解説します。
行方不明者に関する情報
行方不明者に関する情報としては、以下の通りです。情報が多ければ多いほど早期発見できる可能性が高まりますので、事前に情報を整理しておきましょう。
- 写真
- 氏名
- 本籍
- 住所
- 職業
- 生年月日
- 体格(身長・体重)
- 身体的な特徴(怪我・手術痕・できもの・ホクロなど)
- 血液型
- 失踪当時の服装・髪型
- 失踪当時の所持品
- 失踪日時・場所
- 普段よく行っていた場所
- 薬物使用歴の有無・精神病の既往歴
- 失踪原因として推測できるもの(悩みごと・トラブル) など
届出人の本人確認書類
届出時は、以下のような届出人の本人確認書類も必要ですので、忘れずに準備しておきましょう。
- 印鑑
- 運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書
捜索願の有効期限
捜索願には有効期限が設けられており、行方不明者が見つからないと更新・延長の手続きが必要です。なお、この手続きは警察が行います。
有効期限を迎えたからといって、問答無用で捜索が打ち切られるようなことは基本的にありませんので、ご安心ください。
つまり、実質的には「発見できるまで有効」だと考えておけば良いでしょう。
警察が捜索願不受理届を受理している場合は捜索願が受理されない
捜索願不受理届とは、捜索願が提出されても受け付けないよう、警察に求める書類のことです。失踪者が「居場所を知られたくない・探してほしくない」と考えている場合、捜索願不受理届を提出することがあります。
すでに捜索願不受理届が受理されていると、警察は失踪者の意思を尊重しなければならないため、捜索願を提出しても捜索を始めてくれません。
このようなケースでは自力で捜索せざるを得ませんが、「居場所を知られたくない」という意思が強い場合、簡単には見つからない可能性が高いでしょう。探偵であれば代わりに調査してくれますので、自力での捜索が難しそうであれば相談することをおすすめします。
行方不明者を探す際は、20年以上の調査実績の「綜合探偵社MJリサーチ」にご相談ください。
・24時間・365日対応
・全国9ヶ所に拠点設置
※ストーカー等、犯罪性のある調査依頼は請けかねますのでご注意ください。
捜索願を警察に届け出るメリット・デメリット
ここでは、捜索願を警察に届け出るメリットとデメリットについて解説します。
捜索願を警察に届け出るメリット
捜索願を警察に届け出た場合、自分の代わりに捜索対応が望める点がメリットです。
警察であれば、自力で行うよりも広範囲を捜索してくれますし、報道によって情報提供を呼びかけたり、科学的見地から情報分析したりなど、さまざまな手段で捜索してくれますので、早期に居所を掴める可能性があります。
そのほかにも、捜索費用がかからないという点もメリットの一つと言えるかもしれません。
捜索願を警察に届け出るデメリット
捜索願を警察に届け出た場合、行方不明になったことを周囲に知られる恐れがある点がデメリットです。
警察は、学校関係者や友人へ事情聴取したり、街中でビラ配りしたりするなど、さまざまな人達の協力を得ながら捜索活動を進めます。報道による呼びかけがされた場合には、失踪したことが大々的に知られることになるでしょう。
したがって、できるだけ行方不明になったことを周囲に知られたくない(大ごとにしたくない)場合には、大きなデメリットとして感じるかもしれません。ただし、早期の発見を目指すためにも、よほどの事情がない限りは捜索願を出しておくことをおすすめします。
捜索願を届け出た後の警察の対応
ここでは、捜索願を届け出た後、警察がどのように動いてくれるのか解説します。
本格的に捜索するかどうか判断される
警察に捜索願を届け出たからといって、必ずしも速やかに捜索が開始されるわけではありません。
警察は、捜索願の内容から「事件性はあるか」「事故なのか」「自分の意思で失踪したのか」などを判断して、一般家出人と特異行方不明者に分類します。それぞれの捜査対応としては、以下の通りです。
一般家出人の場合
「失踪者が自分の意思でいなくなった」と判断された場合、一般家出人に分類されます。このようなケースでは「事件性・緊急性がない」と判断され、警察は積極的に捜索しません。本来優先すべき捜査の進行が遅れるような事態を避けるためにも、警察ではこのように優先順位をつけて対応することになっています。
ただし、一般家出人の場合でも、警察のデータベースには家出人に関する情報が登録されますので、捜索願を届け出るメリットはあるでしょう。情報が登録されることで、パトロール活動・補導・交通取り締まりなどをきっかけに見つかる可能性もゼロではありません。
特異行方不明者の場合
「自分の意思とは関係なく、何らかの事件・事故に巻き込まれて行方不明になった」「失踪者に生命の危機がある」などと判断された場合、特異行方不明者に分類されます。特異行方不明者の場合、一般家出人よりも時間的猶予がないため、すぐに積極的な捜索が行われるのが通常です。
特異行方不明者の該当条件は以下の通りで、いずれかに該当すれば積極的な捜索が望めます。なお、失踪者が未成年であれば警察が強制的に連れて帰ることができますが、成人の場合はできませんので、発見場所などの情報を伝えてもらいましょう。
特異行方不明者に該当する条件 | |
凶悪犯被害者 | 誘拐・連れ去りなどの凶悪な事件に巻き込まれている恐れがある者 |
福祉犯被害者 | 少年の福祉を害する危険がある者 |
事故遭遇者 | 行方不明前後の行動や事情により、水難や交通事故などの生命に危険を及ぼす事故に遭遇している者 |
自殺企図者 | 遺書があったり、普段の言動から自殺の恐れがある者 |
自傷他害の恐れのある者 | 精神障害があったり、危険物を所持しており、自身や他人を傷つける恐れがある者 |
自救無能力者 | 病人・高齢者・年少者など、本人だけでは生活が困難だと考えられる者 |
【参考】
警視庁行方不明者発見活動規程の運用について│警視庁
届出から数日以内に発見されるケースも多いので、事件性が高い場合は緊迫した状況であることをしっかりと伝えましょう。
警察による捜索方法
警察が行方不明者を捜索する際、以下のような手段で行われます。
事情聴取
事情聴取では、家族・友人・恋人・子供が通っている学校の関係者など、失踪に関連していそうな人物をピックアップしたのち、行方不明者との関係性・失踪時の行動・行方不明者がよく訪れていた場所など、さまざまな情報を聞き出します。
事件性を疑って警察が慎重になっている場合は、関係者を刺激しないように気をつけましょう。
公開捜査
公開捜査では、行方不明者の顔写真が付いたビラを作成したり、報道によって呼びかけを行ったりします。ただし、基本的に公開捜査が行われるのは、時間的な猶予がなく事件性が高いようなケースだけです。
鑑識捜査
鑑識捜査では、失踪現場に残されていた行方不明者の血痕や事件の証拠になるもの(遺留品)について、科学的な側面から捜査します。ただし、鑑識捜査が行われるようなケースでは、行方不明者が何らかの犯罪に巻き込まれており、安否が絶望的である可能性も考慮しなければいけません。
警察犬捜査
警察犬捜査では、行方不明者の私物の匂いなどを警察犬に嗅がせて、失踪後の足取りを調べます。犬の嗅覚は人間の100万倍、刺激臭であれば1億倍あるとされており、現場到着から数分程度で見つかることも珍しくありません。
警察が捜索開始して発見するまでの期間
2019年の警察庁データによると、無事に発見された行方不明者の約80%は「捜索願が出されてから1週間以内」に見つかっています。1週間を過ぎると発見数が急激に減少しており、時間が経つほど発見は困難になるでしょう。足取りが完全に消えてしまう前に、できるだけ迅速に捜索を始めることが大切です。
【関連記事】
人探しを警察ではなく探偵に依頼すべき本当の理由
警察に捜索願を届け出ても見つからない場合の対応
警察に捜索願を出したからといって、必ずしも発見につながるわけではありません。行方不明者が見つからない場合は、以下の対応を検討しましょう。
自分で捜索する
行方不明者が遠出していなければ、自分で捜索して見つけられる可能性もあります。主な捜索方法は以下の通りです。
- 電話・メール・LINE・SNSなどで連絡を取る
- 友人や実家に連絡する
- 会社や学校に連絡する
- 部屋の中の物を確認する
- 心当たりのある場所を探す など
ただし、「単なる失踪ではない」「放っておくと命の危険がある」というようなケースでは、一刻も早く発見する必要がありますので、調査対応に慣れている探偵に依頼した方が良いでしょう。
探偵に依頼する
探偵であれば、警察が積極的に動いてくれないような案件でも、すぐに調査に取り掛かってくれます。全国的に支部を展開している大手探偵事務所であれば、各支部と連携して情報収集や情報共有が望めますので、広範囲にわたって調査してもらえるでしょう。
探偵の調査方法はさまざまで、聞き込み調査やデータ調査を行ったり、専門機材を使って調査したり、警察犬を導入して調査したりする事務所などもあります。あらゆる手段で対象者の特定に努めてくれますので、心強い味方になるはずです。
もちろん、手がかりが多いほど早期発見の可能性は高まりますが、手がかりが少なくても望みはあります。探偵に相談すれば、これまで培ってきた調査のノウハウを活かして、わずかな情報を頼りに特定に至ることもあるでしょう。相談可能な事務所もありますので、まずは一度相談してみることをおすすめします。
警察に事件性があることを強調したにもかかわらず十分な対応が叶わなかった場合は、警察を動かすことにこだわるよりも探偵事務所に依頼するべきでしょう。
行方不明者を探す際は、20年以上の調査実績の「綜合探偵社MJリサーチ」にご相談ください。
・24時間・365日対応
・全国9ヶ所に拠点設置
※ストーカー等、犯罪性のある調査依頼は請けかねますのでご注意ください。
まとめ
警察に捜索願を届け出る方法は簡単で、警察署にて捜索願を届け出たい旨を伝えるだけで手続きが行えます。届け出る際は、事前に行方不明者に関する情報を整理しておき、できるだけ詳細な情報を伝えられるようにしておきましょう。
ただし、警察が積極的に捜索してくれる案件は、「事件性・緊急性が高いケース」「命の危険が疑われるケース」などに限定されます。自分の意思でいなくなってしまった場合などは、自力で探すか探偵に相談しましょう。
無事に行方不明者が見つかるかどうかは、初動のスピードによって大きく左右されます。探偵であれば、相談後すぐに調査を始めてくれますし、事務所独自のネットワークを活かして迅速な調査が可能です。自力では見つかりそうもない場合は、まずは相談窓口をご利用ください。
24時間相談可能 | 相談・見積無料 |
即日調査可能 | 年間相談実績3600件以上 |