あなたの家族や大切な人がとつぜん失踪してしまったら、まず駆け込む先は最寄りの警察でしょう。
警察庁が公表しているデータによると、全国の警察には令和元年中に86,933人の行方不明者届が提出されています。
毎年80,000人を超える行方不明者が発生している現状があるなかで、あなたの元から失踪してしまった家族や大切な人は無事に発見されるのでしょうか?
このコラムでは、実際に失踪者の捜索や発見に携わってきた元警察官にインタビューしながら、失踪者を早期に発見するために重要なポイントをおたずねしていきます。
この記事の制作にご協力いただきました
振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。 |
捜索願いを出してもほとんどのケースで探してはもらえません。
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失踪者が発見される割合
警察庁が公開しているデータでは、令和元年中に84,362人の失踪者が発見されています。
「所在確認」が85.2%
令和元年中に発見された失踪者のうち、85.2%にあたる71,910人が「所在確認」されました。
所在確認とは、無事に発見されて帰宅した、帰宅しないまでも生存が確認されたといったケースです。
この割合は「意外にも高い」と感じるのではないでしょうか。
警察への届出や自力での捜索など、何らかのアクションを起こせば高い割合で発見につながることがわかります。
届出から1週間以内に発見される割合は80%
所在確認された人の多くは、行方不明届の提出から1週間以内に発見されています。
届出の受理当日では46.8%、2~7日以内で34.1%、合計で1週間以内に80.9%の失踪者が発見されています。
4.4%は死亡確認
残念ながら、失踪した人のなかには死亡して発見されるケースも存在します。
全体の4.4%といえばわずかな数字のように感じられますが、100人に4人が亡くなっていると考えれば「万が一」よりもずっと高い割合です。
統計上は明らかにされていませんが、その多くは自殺または転落・転倒などの事故死が占めています。
このデータをみると「生存までのタイムリミットは1週間」だと考えて対策を講じる必要があるといえるでしょう。
【関連リンク:失踪とは|失踪者の発見率と早く見つけ出すための知識】
元警察官にインタビュー|実際にあった失踪者の発見事例
ここでは、元警察官ライターの鷹橋さんに「実際にあった失踪者の発見事例」をおたずねしていきます。
もっとも多い「受理当日に発見」の事例
また「おじいちゃんが散歩に出たまま帰宅しない」といった届出も多かったですね。
実際にあった事例では「おじいちゃんが散歩から帰ってこない」という届出を受けて一斉捜索すると、近所の用水路に転落してはまって動けなくなっていたというケースがあります。
もし発見が遅れていれば、衰弱して亡くなっていたかもしれませんね。
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まれにある「数か月後に発見」の事例
「酔っぱらいが道ばたで寝ている」という通報を受けて保護したんですけど、所持品から素性を確認すると数か月前に別の警察署で行方不明者の届出を受けていた失踪者だったとか。
氏名と生年月日さえわかれば検索できるので、免許証や保険証をもっていれば確認できるんですよ。
事件を起こして取り調べを受けた、交通事故や交通違反で聴取を受けた、深夜徘徊をしていて職務質問を受けたなど、さまざまな警察活動を通じて失踪者が発見されています。
発見までに時間がかかっている失踪者は「訳アリ」の人が多いので、失踪者だと判明しても「帰りたくない」「居場所は知られたくない」と帰宅を拒まれてしまうケースもめずらしくないんです。
警察に届出をしていれば、発見されたら自宅に連れ帰ってくれるんじゃないんですか?
つまり、本人が「帰りたくない」と主張すれば、家族には「警察が無事を確認しました」と報告するだけになってしまうんですよ。
「せめて自分から家族に連絡してみては?」と説得しましたが本人が拒んだので、こちらから家族に「無事でした」と報告をしたんです。
「無理やりにでも連れ帰ってほしい」といわれたけど、本人の意思が最優先なので居場所や連絡先も教えられませんでした。
ご家族の方からは「警察は役に立たない!」と怒鳴られてしまいましたよ…
「死亡発見」の事例
奥さんから「夫が帰宅しない」との届出を受けて使用車両の手配をしたところ、パトロール中の警察官が景色の良い山にある展望台の駐車場で車を発見したんです。ところが、付近の駐車場や雑木林を捜索しても失踪者は見つかりませんでした。
所持品から展望台で行方がわからなくなった男性と判明したわけですが、発見現場は展望台から数キロも離れた山林でした。
ご遺体のすべてを家族のもとへ帰してあげられなかったのは残念でしたね。
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事例から学ぶ「早期発見」のためのポイント
元警察官ライターの鷹橋さんに聞かせてもらった実例から、失踪者を早期に発見するためのポイントをまとめてみましょう。
「そのうち帰ってくる」ではダメ!ただちにアクションを起こすこと
失踪者の行方に関する手がかりは、時間が経つにつれて少なくなります。
「数日前から行方がわからない」では手がかりが少なくなり、発見の可能性が低くなってしまいます。
用水路で発見された高齢者のように、発見が数時間遅れていれば生命の危険があったというケースもあるので、どんな方法でもいいので、とにかくただちにアクションを起こすことが大切です。
「失踪のサイン」を見つけることで対応が変わる
警察は、失踪者について「一般行方不明者」と「特異行方不明者」に分類します。
とくに危険のない一般行方不明者に分類されると手配だけで終わってしまい、積極的な捜索はおこなわれません。
特異行方不明者として受理された場合は積極的な捜索が期待できるので、本人の持ち物などから自殺をほのめかす内容などがないかをしっかりと確認しましょう。
本人が「居所を教えないでほしい」と希望した場合の対応
実例で聞かせてもらったように、警察が失踪者を発見しても本人が「家族には居所を教えないでほしい」と希望するケースもあります。
警察は失踪者の意思を尊重する
家族や大切な人が失踪してしまい、警察に行方不明者届を提出すると「発見されたら警察が保護して連れ帰ってくれる」というイメージを持っている方も多いでしょう。
ところが、自分で生活する能力のない未成年者や認知症・精神疾患などを患っている人でもない限り、無理やりに連れ帰ることはできません。
事例で挙げたように、家族には「警察が無事を確認した」とだけ伝えてほしいと希望されるケースもあります。
家族が「すぐに行くので待たせてほしい」と求めても、無理やりにとどめおくことさえできません。
探偵への依頼を検討する
警察が失踪者の住所や連絡先を教えてくれないときは、探偵に相談しましょう。
失踪者が発見された地域がわかれば「どのあたりに身を潜めている」のかの手がかりになります。
たとえば、A市に住んでいる家族が失踪してしまい、となりのB市で発見された場合、B市を管轄する警察署から連絡が入るわけです。
この情報をもとに探偵が詳しく調査すれば、張り込みや聞き込みなどの方法で本人を発見し、尾行して本人の居所を割り出すことができます。
警察が住所や連絡先を教えてくれなかった場合でも、ご家族が失踪者本人と接触できる可能性があります。
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まとめ
失踪者が発見された実例を聞いてみると、意外にも「すぐに発見される」ということがわかったでしょう。
住所がはっきりしていないと仕事もみつからないので、よほどの不便を覚悟しない限り長期の失踪は困難なのです。
しかし、なかには強い覚悟をもって完全に行方をくらませてしまう失踪者もいます。
発見が遅れてしまったばかりに命を落としてしまうケースもあるので、家族や大切な人がいなくなってしまったら、ただちにアクションを起こしましょう。
もし、警察が発見しても失踪者本人が帰宅や連絡を拒んだ場合は、すぐに探偵に相談して所在調査を依頼するのがベストです。
関連リンク:
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